ホーム > Dr.ブログ > No.086 政治家の失言

  • 救急の場合
  • 診療時間
  • 面会時間
  • 人間ドック
  • フロアマップ
  • 川口正展のなるほどザ・メディスン
  • Dr.ブログ

No.086 政治家の失言

2011/11/07

なぜだか、日本の指導者たる与党政治家は失言が多い

また、それが野党の格好の攻撃材料となり、結局、失言の主は更迭されるか辞職に追い込まれるのが常だ

総理大臣が 「医者には非常識な人が多い」 と発言し、物議をかもし、発言を撤回したことは記憶に新しい
根拠もなく、自分の感想で、公の場でこのような発言をする政治家の常識の方が疑われるのではないかと思う

政治家だから自分の中では色々の思いがあるであろう

自分が何を思おうとそれは勝手だが、人前で話して良いことと悪ことの区別ができないことが非常識なのである
どんなローカルな集まりであろうとも、政治家たるもの、いったん口に出せば、それはすべて 「公言」 となることを理解していないことが非常識なのである
もっとも、国民にとっては、失言政治家の本音が見えるのでちょっと楽しいが

一般に、誰かに話したくてたまらなくても 「本音」 は、あくまで自分の心の中だけにしまっておくものなのである

話を戻して

「医者には常識のない人が多いか?」 と問われれば、そうかも知れないし、そうでないかも知れない
それは何を持って 「常識」 というのかという定義がないこと、すなわち、何となく漠然と 「常識」 が理解されている曖昧さによる
あえて言うなら、 「その場で言って良いことと悪いことの区別をわきまえていること」 が常識人であることの基本ではないだろうか

だが、医者に限らず、専門職には、いわゆる 「常識人」 は少ないと思う

いや、専門職に限らず、職人の世界、サラリーマンの世界、芸能界、政界でも、これは言えるのではないか
たとえ人と接することの多い業界であっても、常識人が多いわけでもない
すなわち、先進国における現代の職業人は高度に専門化した世界の中だけに生きており、その業界の常識は身につけているが、他の常識は知らなくたって、生きてゆける
しかし、政治家の失言は、政界という業界の常識すら身につけていないということになりはしないか?

さて、それでは、世の中で、もっとも常識人とは一体どんな人だろう

それは、現役を引退した熟年層かもしれない
業界から離れることによって世間全体が見えてくるし、考え方も偏らず、穏やかに、幅広くなるものだ

落語の世界では 「ご隠居」 がこれに当たる

ご隠居は何でも世の中のことを知っている
だから八っつあん、くまさん、与太郎までが、世事について聞きに来る

話を現実に戻すと、一般に、中高年の専業主婦も常識人だ

女性は元来、たとえ表面的ではあっても人付き合いがうまく、人付き合いを通して色々な情報を入手し、まことに上手に世間を渡る

また、女性は群れることに抵抗がなく、お昼のレストランは女性のグループで占領されるし、 「女子会」 、 「ガールズトーク」 なる言葉もあるくらいだ
女性は2人や3人で平気で旅行に行くが、男がこれをしたら少し変な目で見られるし、大体不自然で、実際ありえない

男は元来、社会性がなく、群れない

これは、 「オスは戦い、縄張りを守る」 という動物の本能を、いまだに持っているからである
時をわずかに遡れば、権謀術数の渦巻く戦国の武将も、常識の範囲をはるかに超えた 「超識」 を持った者達だけが戦に勝ち生き残ったではないか

だから、男は人付き合いが苦手で不器用で、究極、一匹狼にしかなれない
定年退職後、家に引きこもってしまうのも男だ
すべての男がそうであるとまでは言わないが

すなわち、誤解されることを覚悟で、ざっくり言えば

「男は世間知らず、女は世間知り」 ということになるのでは

 |