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No.411 身分 と 職業

2015/11/11

この 2つは似て非なる

「身分証明書」 というと、社員証であったり、学生証であったりする

しかし、銀行などで求められる 「身分を証明するもの」 とは、 運転免許証や パスポート、 健康保険証など、行政が発行する書類であり、社員証では通用しない
つまり、この場合の 「身分証明」 とは、本人確認のことである

武家社会では 士農工商という 身分の上下関係があったし

戦前の貴族には 爵位があり、爵位にも順位が存在し、身分の上下は存在した
しかし、これらがない現代の日本社会では 「身分」 に上下関係はない

「いいご身分だ」 という表現があるが

「いい身分 = 地位が上」 という意味ではなくて、楽な立場に置かれていることを皮肉ったものに過ぎない

ただし、会社では

係長、 課長、 部長、 社長などの 身分があり、これらには明らかに 職務上の上下関係がある
(この場合、身分といわずに地位と呼んだほうが適切なのかも知れないのだが)
これら職域内では通用する 「身分」 も、職務を離れた プライベートでは、社会的に通用するものではない

「公務員」 は職業ではなく、 「身分」 である

という人がいる

上の論理では、これは正しくない
実際、職業欄に、 「会社員」 と同じく、 「公務員」 と書いて、何の不自然さもないし、何の不具合もない


ただ一つの例外がある

それは、国の政策を決定する権限を有する、ごく一部の国家公務員と、政治家の頂点である 「内閣総理大臣」 である
所謂 「高級官僚」 や、 「総理大臣」 は 「身分」 であり、誰が考えても我々一般庶民よりも地位が高いし、高級官僚も総理大臣も 「職業」 と呼ぶにはそぐわない
彼らは、職務を離れた プライベートでも 「身分」 として社会的に通用する

というのは 僕の個人的意見です
(意見には個人差があります)

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