2015/12/10
僕は 数十年を暮らした
だいたい、青森、秋田、茨城、栃木、群馬、長野など、他の都府県には 自然を取り入れた名前が多いのに対して 「愛知」 という 哲学的な名の由来がわかりにくい
江戸時代、今の名古屋市の中心部を 「愛知郡」 と呼んでおり、結局 それを県名に取り入れたとのこと
なんだ、そんなことだったのか
などが有名だが、明治まで残った大名として、浅野家、池田家などもある
三河から 江戸に移住した人は多く、彼らが 江戸っ子気質の形成に関与したともいわれる
東京や 横浜で普通に使われる 「 ・ ・ じゃん」 は、元来 三河地方の方言である
屋号としての 「三河屋」 は 今でも 東京に多く存在する
尾張、三河の住人が 多く移住したことであろう
すなわち、けっこう多くの 日本の県の礎を作ったのは 三河、 尾張 出身者達なのだ
江戸時代、型破りな藩主として親しまれた 徳川宗春は、幕府に逆らってまで 自由闊達な文化を奨励し、結果として 多彩な文化が花開き、尾張は商業、芸事の中心となっていった
この頃からの伝統なのだろうか、尾張人は 派手好きであり、見栄っ張りである
結婚披露宴にかける金額が 全国でもトップクラスというのは 有名な話である
御三家筆頭格であり 諸大名の中で最高の格式を有したにもかかわらず 将軍を輩出できなかったことなどから 幕府に対する不満が渦巻き、戊辰戦争では官軍についた
境川という 小さな河川で区分されている 尾張地方と 三河地方とでは まるで県が違うほどの 言葉や文化の違いがある
尾張人は せっかちで早口、即実行型、三河人は おだやかでのんびり、沈思黙考型、といった感じだ
方言から見ると 尾張のイントネーションは 美濃 (岐阜) と似たところがある
一方、東三河は 駿河 (静岡) と少し似ている
トヨタ自動車の本社がある、かつての挙母 (ころも) 市は、トヨタ自動車にちなんで 豊田 (とよた) 市と、市名まで変えてしまった、文字通りの トヨタ王国である
トヨタ関連の企業が ひしめき合っている愛知県は 「トヨタに 依存しきった県」 の感がある
今は 磐石と思われている トヨタだが、仮に、もし、何らかの原因で コケでもしたら、愛知県自体が 成り立たなくなってしまう危険性を はらんでいるような気もする
平均寿命よりも重要視される 健康寿命 一位は、男性が 愛知県だ (女性は 3位)
すなわち、 2014年 健康寿命ランキングでは 男性 71.74歳、 女性 74.93歳
因みに 47位の県と比べると、男女とも 約 3年も長い
理由について いろいろな推測はあれど 真実は誰にもわからない
中世~ 近世にわたり、京や 大坂と距離的な近さから、文化交流が盛んであったためか、今も 関西の文化が混在している
たとえば、イントネーションに関しては、単語の後ろのほうにアクセントがくる方式は 関西と似ている
「名古屋メシ」 などという言葉もできて、独自の食文化が注目され、全国的にも やや知名度が上がったが、リニア新幹線が開通するころには 東京との 時間的距離が短縮され、より東京化が 進んでしまうのではないかと 僕は危惧する