ホーム > Dr.ブログ > No.420 「49%」

  • 救急の場合
  • 診療時間
  • 面会時間
  • 人間ドック
  • フロアマップ
  • 川口正展のなるほどザ・メディスン
  • Dr.ブログ

No.420 「49%」

2015/12/22

「クローズアップ現代」

某テレビ局が 月~ 木曜日に放送している 26分番組である
さきごろの放送で 「将来 49%の職種で雇用が必要なくなる」 との ショッキングな予測が テーマとなっていた
人工知能が進化発展し、ロボット化が進むことが その大きな原因であるらしい

フリップには、消え行く職業の代表として

タクシーや 路線バスの運転士、銀行窓口係、 宅配便配達員、 測量士、 計監査係員、 レジ係、 建設作業員、 CADオペレーター、 警備員、 給食調理人、 マンション管理人が 挙げられていた

因みに 「残る職業」 としては

映画監督、 ミュージシャン、 ケアマネージャー、 内科医などが 挙がっていたが、内科医といっても、総合内科医は 診断学が主体であるから人工知能で置き換えられるし、感染症専門医も 理論的診療であるがゆえに 人工知能が最も得意とする分野であるから不用となろう

逆に フリップにはなかったが

俳優、 画家、 作家などは 残る職業といえるだろうが、これらは特殊な創造能力や 持って生まれた ルックスをもった一握りの人達だから 「生き残る職業」 などとはいえない


企業にとって 究極の効率化は 雇用を必要としないロボット化であり

恐らく、ある時期からは 急速に ロボット化が進み、 フリップに挙げられた職業以外にも、いや、極論すれば、殆どの職業が ロボットにより置き換えられてしまう可能性は大きい
人にできることは、人工知能を持つ ロボットなら すべてが可能であろう
一体、 「49%」 の根拠は何なのか?

もちろん人工知能の設計制作、ロボットの管理には 人材が必要であり

これらの雇用は 持続するだろうが、それは ごく一部の国民に限定されるだろう

現在の我が国では 被雇者 6000万人のうち 非正規雇用が 4割を占めるといわれ

非正規雇用の待遇の悪さが問題視されているが、 ロボット化が進めば パートはおろか 正規雇用だってなくなってしまうのである
街には 職のない人があふれ、生活レベルの格差が 極めて大きな社会が出来上がる
スラム化する街が増加し、犯罪は増え、各地で暴動が起きる

無職の人が増えれば

税収は減少し 国家財政は逼迫するから 福祉事業は破綻する
企業は ロボット化によって人件費は不要となっても、国民が無収入では国内で物は売れない
しかし、ロボット化により 生産コストが下がれば廉価な製品を作ることができ、一時的に輸出競争力はアップするかもしれない

では 職を得られない人達はどうするのか?

一部の人は 株式などの デイトレードや ギャンブルなどで生活費を得るだろう
しかし、多くの国民は 国庫の少なさから生活保護さえ受けられず、国外に職を求め 日本を去るしかない
日本から 日本人が消える時代が来るのである

職がないということは

生き甲斐を喪失することにもつながり、精神を病む人も増加するだろう


以上は

僕の想定する 最悪のシナリオであるが、決して これが単なる空想ではないような気がする

こんな事態を未然に防止するには 何らかの法規制が必要になるであろう

たとえば企業には その規模に応じた雇用数を義務付ける
ロボット化の範囲を規制する などである

さて、皆さんは どうお考えでしょうか?

 |