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No.435 笑いの話芸

2016/05/09

昭和の時代、「漫才ブーム」 というものがあったことを記憶している人は多いだろう

これは 1980年から 1982年の間に 漫才が巷を席巻したことをさし、現在活躍中の ビートたけしも このブームに乗って世に出た
しかし、漫才が、ボケと ツッコミを基本とする 今のスタイルになったのは 昭和初期に 横山エンタツ ・ 花菱アチャコが 「しゃべくり漫才」 を創始してからであり、この時代にも 漫才ブームが起こったとされている


戦後、漫才や コント、喜劇などを放送する番組は 数知れない

古くは 「花王名人劇場」 、今でも続く長寿番組 「笑点」 、 「爆笑オンエアバトル」 、また 多くの有名な芸人を輩出した 「エンタの神様」 など
日本の喜劇王というと、戦前、戦後に活躍した エノケンこと 榎本健一が 僕の脳裏には浮かぶが、きっと この名前を知っている人は 少なくなったことだろうし、僕自身も さすがに エノケンの映画は 見たことがない

僕の子供の頃には

「番頭はんと丁稚どん」 、 「スチャラカ社員」 、白木みのるの 「てなもんや三度笠」 、藤田まことの 「びっくり捕物帖」 などが 当時普及しかけたテレビという媒体を通して 一般に浸透していた


さて、 2000年代に入ると、お笑い芸の頂点を決める数々の大会が 毎年開催されるようになり

芸人達が、オリジナルのネタで、いかに観客を笑わせるかを競う時代となった
「 M-1グランプリ」 、 「 R-1グランプリ」 、 「キングオブコント」 、 「 THE MANZAI 」 などである
これらの大会は 業界によって仕掛けられたものだが 大衆には受けた
そして現在活躍中の数多くの芸人は これらの大会出身者である
いまや、売れない芸人や、芸人を目指す人も含めて その数は数千にもおよぶという

漫才、 物まね、 コント、 パラパラ動画、 ギャグなど 笑い芸の種類は増え、笑いの質も 切磋琢磨されて どんどん高くなっている



日本の話芸は 江戸時代に その ルーツがあり

講談、 落語などは 江戸中期には すでに確立していたとされる
現在、落語には 「滑稽噺」 、 「人情噺」 があり、他にも 「怪談噺」 などもあるが、江戸時代には 滑稽噺が 「落語」 であった
要するに、江戸時代から 日本人は、潜在的に 笑いを求める民族だったのだろう


お笑い芸は 海外にも存在する

スタンダップコメディー、 ヴォードビルなどが それに当たるだろうか
また 「シチュエーションコメディー」 (例えば 「デスパレートな妻たち」 、古くは 「アイラヴルーシー」 など) は、さして面白くない場面でも 至る所に 不自然に観客の笑い声を散りばめたりする代物であるが、笑いの 質や 出演者の話芸は お世辞にも 高いとは言い難い
そして、これらの娯楽は あくまで ショービジネスの主役ではない



日本のテレビ番組には 「バラエティー」 という ジャンルが とても多い

そして、これらの番組には 必ずといって良いほど、お笑い芸人が 司会者や 雛壇として キャスティングされている
彼らは 話芸のプロであるから 会話のキャッチボールが とても スピーディーで、突っ込む タイミングと 内容は絶妙で、見ていて まことに小気味よい
バラエティー番組は 日本独自の笑いの文化といっても 過言ではないと思う
そして、ここまで笑いを理解し、かつ追い求めるのは 日本人だけではないだろうか


アニメ、 コスプレなどの いわゆるサブカルが

日本を発信源として 世界に広まってゆくと報じられるが、日本の笑いのツボは 他民族には 恐らく理解できないであろう


ユーモアを理解するのは 一種の能力であり、民度の高さでもあると 僕は考える

そして、笑いの文化が熟成するほどに 平和な世の中になる、もしくは 平和な世の中でなければ 笑いの文化は 根付かないような気がする

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