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No.456 読めるけど書けない

2016/10/24

私達は 今 漢字を 自筆で書く機会が激減している

文章は ワープロで作成するから、漢字を書く レアな機会は 諸書類へ記入する 氏名と 住所くらいではないだろうか
特に 医師は 漢字を書く機会が 極端に少ない
カルテや 書類は すべてワープロを使うし、何しろ 仕事上、筆記具を使う機会が めったにないのである

漢字を書かねば 必然的に 漢字を忘れる

だから、 「漢字は 読めるけれど 書けない」 という現象が起きる


肉筆で書かねばならない レアな機会では

分からない漢字は 仕方なく、平仮名や カタカナで書くことになる
「薔薇」 は 「バラ」 、 「金木犀」 は 「キンモクセイ」 で十分である
「鬱病」 は 「うつ病」 、 「癲癇」 は 「てんかん」 で 通用する



1952年に 内閣が 各省庁の次官宛に出した通達や、カナ文字論者の 三宅正太郎の判例から

一般的に 公文書において 固有名詞を 片仮名書きにしてもよいと 考えられているらしい
また、この通達には 「公文書を 漢字交じりで 書かなければならない」 といった内容の 記述はない
だから、公文書、私文書ともに 仮名書きでも 有効であるし、全て 仮名書きにしたところで 罰則は ないはずだ

以上を考えると

今後、日本人は 難しい漢字を 書く必要がなくなり、学校教育でも 漢字の読みは教えても、漢字を 書くことは 教えない時代が、もう そこまで来ているような気がする



漢字は 中国からの輸入文化である

日本における 漢字の歴史は古く、 4世紀末から 5世紀初めごろには 本格的に 使われていたとのことである
そして 平安時代は 漢字の一部をとって 簡略化した文字である 片仮名、漢字を 草書体に崩しまくった 平仮名が 全盛をきわめ、それ以後 仮名は 途切れることなく 現代に続いている
だから、 「仮名は 漢字を基にして 日本人が考え出した 日本固有の文化」 といっても 過言ではない
すなわち、漢字が 書けなくても 何ら 恥じることはないのだ
漢字を 読むことができ、片仮名、平仮名が書ければ 十分なのである


なお、創作性に富んだ日本人は

日本独自の 「漢字風文字」 = 「国字」 を 幾つも作り出した
働、 凧、 峠、 畑、 榊、 鱈、 鰯 などが それである

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