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No.470 いろはかるた

2017/01/23

「犬も歩けば 棒にあたる」

これが いろはかるたの 「い」 と思っていた
しかし、上方では
「一を聞いて十を知る」 や、 「一寸先は闇」
だとのこと
ちなみに 「花より団子」 は、京都では 「針の穴から天覗く」 というらしい


いろはかるたは、江戸中期に京都で作られた

いろいろな格言を、いろは順にならべて、正月の子供の遊び向きに作られ、大坂、名古屋、江戸に広がったらしい
いろはかるたは、地方地方により さまざまなのである
「犬棒かるた」 といわれる 「江戸 いろはかるた」 が 一般的と思っていた僕は、少し驚いた

子供向けなので、わかりやすい内容が多いが、よくよく考えると真意が よく理解できない格言も多くある

たとえば 冒頭にあげた 「犬も歩けば 棒にあたる」

犬は 嗅覚も 視覚も鋭いから、街中を歩いていて、そこら辺の棒に衝突するなどありえないはずだ
そこで 辞書で調べてみた
すると、意外なことが書かれている

「棒にあたる」 とは、町人に 棒で叩かれるという意味で

転じて、 「不用意に外出すると災難に逢うかも知れない」 というのが真意とのこと
それが、いつの間にか、真逆の意味で使われ出した
「犬でも (犬に失礼!) その辺をうろついていれば、何か いいことにありつく」
転用前の意味は わからないでもないが、転用後、この格言は、一体我々にどうしなさいと言っているのか、さっぱりわからない


「花より団子」

現代風の一解釈として、彼女に花を贈るか、物を贈るか、それとも食事に誘うか
彼女はきっと、花よりも 後者を選ぶだろうということだろうか?
そもそも女性は 花を贈られることが、男が考えるほど嬉しいことではないのか?

そこで、僕のまわりの 40代から 50代の女性に聞いてみた

結果は

  • 若いときは嬉しかったかも
  • 贈られた花を活けておくと、花は徐々に劣化していくから、それを見るのが切ない
  • 断然食事のほうがいい

などなど意見は さまざまに分かれたが、要するに、 「好きな人から グッドタイミングで贈られる花は嬉しい」 ということらしい


歓送迎会の季節

特に送別会では、送られる人に 必ずといってよいほど花束が贈られる
贈られる側は、花束をもらった瞬間は嬉しい
でも 次の瞬間から その花束の扱いに困惑することだろう
いろいろな意味で

僕は、 35年前くらいだったろうか

SLセントラル病院を辞める時に、花束ではなくて、ボールペンをもらった
クロスの 「センチュリー ・ スターリングシルバー」 という、今でも同形で販売されている 定番の奴である
軸には 自分の氏名が彫ってあった

そのボールペンは 今でも毎日使っているし

刻印された自分の名前を見ると、SLセントラル病院時代を ふと想い出すこともある

花は残らないが、モノは残るのだ

いや、訂正

僕の 60歳の誕生日に、妻が贈ってくれた 60本の真紅のバラの花束は、今、ドライフラワーとして 大切に残してある

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