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chap.002 副作用

2014/09/09

薬には副作用がつきものです

一般に、 「副作用」 というと

「薬を使用することによって起きる、予期せぬ有害事象」 をさしますが、広義には、薬の主作用の他に出現する作用全般のことを言います

たとえば、抗ヒスタミン薬を飲むと眠くなる、コデイン系の咳止めを飲むと便秘になる、などがこれに当たります

どのような薬にも

添付文書には、これでもか、というくらい多くの副作用が記載されています
これらの副作用が高頻度に起きるのなら、薬なんて怖くて飲めないことになりますが、幸い、重大な副作用はそんなに高頻度に起きるものではありません

薬の添付文書の副作用欄は

一例でも有害事象の報告があれば、その薬が原因であるか否か明確でない場合でも、記載するので、その数は多くなります

多くの人が服用している

降圧薬や、血中コレステロールを低下させる薬については、現在一般的に使われているものに重大な副作用は、まずないと言って良いでしょう

抗がん剤など、一部の薬は

誰にでも必ず起きる副作用がありますが、これを承知の上で、有効性を期待して、副作用対策をしながら用いることになります

薬を処方する医師は

添付文書に記載されている数多くの副作用のすべてを記憶することは困難です
そこで、市場に出回っている処方薬に関しての添付文書が記載してあるマニュアルを手元に置いて、新規処方の場合など、ページをめくることもあります

しかし、自分が普段処方する薬に関しては

重要な副作用とか、禁忌とか、併用注意などは熟知していて (すべての医師がそうであるかはわからないですが) 、危険な処方はできるだけ避けるわけです


薬を服用している人に

何かの症状が現れたとき、医師は 「服用中の薬が原因ではないか」 と、まず考えます
そして、それが否定的であった時、薬以外の原因を究明することになります

一般に

薬の副作用は服用を開始してから 8週間以内に現れることが多いとされていますが、何年も服用していて、突如、副作用が出現する場合もときにあります
しかし、これはあくまで例外的です

薬の効力は誰にでもほぼ同じように出るのに、有害な副作用は特定の人だけに出る

これは不思議といえば不思議な現象ですが

薬との相性の問題と考えるとわかりやすいと思います

言い換えれば

個人の顔や性格が皆異なるように、薬が人体に及ぼす影響は人それぞれで、 「服用してみなければわからない」 のが現状です

科学的に言えば、薬との相性は遺伝子レベルで決まっているのでしょう
将来は遺伝子解析などにより、あらかじめ薬との相性を調べることもできる時代が来ると思います (抗がん剤のある種のものは、すでにこの方法が取られています)

なお、自分の服用している薬の副作用情報が知りたい場合は

インターネット検索で、薬の 「製品名」 と 「添付文書」 とを入力すると、PDFファイルで見ることができます

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