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chap.011 痛風・高尿酸血症

2015/03/23

近年、 「プリン体ゼロ」

などという宣伝文句をよく耳にします
「プリン体」 とは、痛風の原因である尿酸の原料となる物質です
痛風や、高尿酸血症は男性に圧倒的に多く、遺伝的素因があるとされています

高尿酸血症の人は

プリン体を多く含む食品をできるだけ避けるように指導されますが、プリン体は、肉類、魚介類、豆類、大豆、黄粉、ほうれん草、マッシュルーム、カリフラワー、獣魚の内臓、魚卵、乳製品など、多種の食品に含まれていて、これらを避けて食事を摂ることは事実上不可能です

いっぽう

米国の約 5万人の男性を対象にした、食事内容と痛風との関連を解析した研究では、大豆などの高プリン体野菜は痛風発症のリスク因子ではないという結論が出ています

そもそもプリン体は

体内の新陳代謝で産生される量が多く、食品から摂取する量の比ではありません
そこで、血中尿酸値を低下させるためには、プリン体摂取制限よりも、過食を避け (カロリー制限) 、アルコール飲料を減らすことのほうが重要と考えられるようになってきました

アルコールは

  • 体内で分解される時に尿酸を産生します
  • またアルコール自体が尿からの尿酸排泄を低下させます

この2つの原理で、アルコールを日常的に飲む人は血中尿酸値が上昇します


血中尿酸値が高いだけでは無症状なので

健康診断で 「高尿酸血症」 と指摘されても無関心な人が多いのは残念なことです

高尿酸血症を放置すると

いずれは痛風発作を起こすことになります

  • また、高尿酸血症そのものが冠動脈疾患 (狭心症、心筋梗塞) のリスク因子となります
  • さらに、 「痛風腎」 と呼ばれる高尿酸血症による腎不全も起き、将来、人工透析を受けることにもなりかねません


現在

高尿酸血症を改善する、副作用の少ない薬が使用可能になっています
1日 1度の服用で、血中尿酸値が正常化するので、高尿酸血症による、いろいろな弊害を避けることが可能になりました

男性は

自分の尿酸値に関心を持つべきであると思います

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