2011/11/02
新幹線駅前には、新しい、マンションやシティーホテルが立ち並び、洗練された佇まいを見せている
しかし、駅前なのに、広大な空き地や芝生の緑地があり、平日の午前なのだが、道行く車の数も少なく、人影もまばらで、のどかな雰囲気だ
もちろん、自転車の人は一人も見かけなかった
交通渋滞、経済的側面、また健康面などから、近年、自転車に乗る人が増加している
そんな中、自転車の歩道通行が正式に禁止されることが報じられた
なんでも自転車と歩行者の接触事故が多発しているからだという
背後から音も無く近づいて来た猛速の自転車に接触されかけたことがある
歩道を走る自転車は、前を行く歩行者が直進するとの仮定で歩行者の脇をすり抜けようとする
その時、もしも僕が少し自転車側に進路を変えていれば衝突されていたと思い、本当に怖いと思った
歩道走行が全面禁止というわけではなく、一定の条件を満たした歩道では通行可能であるが、後ろからベルを鳴らす行為は禁止であるという
さらに細かい規則が定められていて、例えば13歳未満と70歳以上は歩道走行が許されていると聞く
しかし、大部分の人は、このような細かい規定を知らないはずだ
道路交通法では車道を走行することになっているはずなのに、原動機がついていないというだけで、これまで歩道走行が甘く見逃されてきた
また、自転車が車道を走行することは、自転車運転者にとっても、また、自動車運転者にとっても怖いという側面もある
「今になってなぜ」 という思いも、多くの人が持っていることだろう
車道のブルーに塗られた自転車レーンが完備していない現状で、本気で歩道走行を禁止すれば、今度は対自動車事故が急増するとの指摘もある
自転車の道交法違反行為はいくつもあるのだが、自転車に乗る人が、必ずしもこの法律を知っているとは限らない
いや、知らない人が大部分だろう
つまり、道交法を知らなくても、軽車両である自転車は運転して良いのが現状である
さらに、自転車には運転の年齢制限すらない
自転車による子供の飛び出しで起きる自動車との接触事故は、このあたりに原因がある
たとえば無灯火運転
街路が明るかったりすれば、無灯火の自転車からは周りが見渡せるかも知れないが、歩道上の歩行者は、音も無く近づいてくる無灯火自転車に気づきにくい
更に、自動車からは、自転車が無灯火で道路上を走行していても、直前まで認識できない場合が多い
ピストと呼ばれる競技用自転車の公道運転
競技用自転車には前照灯や制動装置が装備されてないので、公道走行は禁止されているのにもかかわらず、最近流行していると聞く
ブレーキがついている自転車でも、故意に取りはずして乗る人もいるという
またこれらの競技用自転車は時速40km程度は出すことができるので、危険極まりない
これらもすべて道交法違反
そのため、自転車が歩道上などで歩行者などと衝突事故を起こした場合、加害者は、治療費、慰謝料、事故によって発生する様々な損害賠償金などを、ほぼ全額負担することになるため、かなりの高額になる場合だってある
時速20kmで歩行者の背後から衝突した場合、被害者は死亡することだって充分考えられるので、加害者には業務上過失致死罪が適用されるであろう
逆に、自転車に衝突された歩行者は、自転車運転者側に支払い能力がなければ、何の補償も受けられないことだってある
自転車の違反は全て罰金(赤切符)であり、自動車と違って反則金(青切符)制度はない
だから、場合によっては、高額の罰金を支払ったり、刑事被告人となり、前科ができることを、自転車に乗る人はわかっているのだろうか?
当局は巷に往来する自転車の台数、乗り手の年齢分布、職業、性別など、正確には把握できていない
また、自転車には車検制度がないので、ブレーキはずしなどの改造自転車を取り締まることすら出来ない
違反者には赤切符を切り、罰金をきちんと徴収するくらいは、すぐにでもできるはずだ
また、自転車を新たに乗る人には講習会参加を義務付ることも実施不可能ではない
これらの実効を伴う改善を厳然と実施しなければ、単に歩道走行の禁止をアピールしたところで、自転車の絡む交通事故は減らないであろう