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No.106 禁酒法

2012/01/16

1月は何かと呑む機会が多い

でも、アルコールは作業効率を低下させる

酒席を終えた後、仕事をしようと思っても、意欲が出ないし、集中できない
「まあ 明日でいいっか」 と、なってしまう
飲酒運転が事故につながりやすいのも、運転という業務に集中できなくなるからである

その昔、アメリカには、かの有名な 「禁酒法」 があった

俗に 「禁酒法」 と呼ばれたのは、合衆国憲法修正第 18条のことで、1920年から約 14年間にわって施行された

禁酒法は 「世紀の悪法」 と言われる

それは、非合法組織が、闇酒を扱うことで富を得て、組織を拡大し、それに絡む犯罪や殺人事件が多発したことなど、禁酒法のダークサイドが強調されたことによると思われる
財務省捜査官、エリオット・ネスと、ギャングのボス、アル・カポネとの攻防を描いた 「アンタッチャブル」 は、テレビドラマや映画にもなり、ヒットした

しかし

悪法と言われる禁酒法が制定されたのには、それなりの理由があった
19世紀末、米国では国民1人当たりのアルコール消費量が大量で、月曜日などは2日酔いで出勤したり、欠勤したりする労働者が多く、作業効率や作業精度が低下した
このことは、工業化が急速に進んでいた当時の米国では、事業主にとって頭の痛い問題であった
また、鉄道員の飲酒も禁止されていなかったため、危険な鉄道運転も横行していた

この法律は

酒類の 製造 ・ 販売 ・ 提供 を禁止するものであり、酒類の飲用までは禁止していなかったが、結果、国民の飲酒量は激減し、生産性が向上したため、禁酒法は一定の成果を上げたと言える

以上、聞きかじりの薀蓄を披露してみたが

現代の日本人は賢くて、アルコール飲料の消費量が毎年増えているのにもかかわらず、翌日に影響する飲みかたをする人は少ない

また、道路交通法の改訂による飲酒運転の罰則強化は

飲酒に関連する交通事故の件数を明らかに減少させた
「飲んだら乗らない、乗るなら飲まない」 習慣は、罰則強化によって、国民に、やっと定着したようだ

日本人は、やはり根は真面目だった

(本稿は、広島大学・岡本勝氏の著書を参考にしています)

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