2012/02/27
「あさきゆめみし」 と、タイトルが金文字で書かれた、ダークグリーンの本が出てきた
これは、正岡昭先生が、定年退官記念に出版されたエッセイ集である
業績集を出版するのが一般的であり、その意味で、一風かわった、先生らしい試みであったと思う
文学の素養も多分に持ち合わせ、在職時代から、雑誌や新聞など、色々な所にエッセイを掲載されていた
それをまとめたものが 「あさきゆめみし」 というわけだ
独特の視点から、色々なことが、さりげなく、多角的に論じられていて、読み応えがある一冊だ
正岡先生は呼吸器外科の教授であった
先生の風貌は、少しカールした、グレーシルバーの頭髪で、長身
まるで芸術家であった
大阪大学交響楽団の指揮者を数年つとめられたこともある音楽家でもあり、ご自身でもピアノを弾く
何とも多彩、多趣味な人だ
放射線科の教授選があり、選考委員をつとめていた先生と僕は、立候補者の中の一人に、浜松まで面会に行くことになった
正岡先生は、他教室の教授という立場であり、年齢も随分離れていたため、二人だけの、この小旅行では、少々緊張した
はたして、何を話したら良いものか
先生は、電車の中で、気さくに僕に話しかけて下さった
そして、二人はジャズ談義に花を咲かせ、とても楽しい時間が過ぎていったことを記憶している
文学や芸術などの道に進む人は多い
など、数え上げたらきりがない
しかし、よく考えてみると、作家も、映画監督も、音楽家も、漫画家も、職人芸の世界である
やはり 職人とも言える医師という職業と、どこか共通する
と僕は感じる