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No.138 雑用

2012/04/02

世の中、雑用が多い

いや、雑用のほうが多いといっても過言ではないほどだ

例えば、僕の場合

医師としての業務の、診療以外の部分としては
種々の書類作成や、院内会議
学会の準備や、学会出張
などなど

一般に、仕事以外の雑用も多種多様である

  • これを 「雑用」 と言ってしまっては聊か不謹慎かも知れぬが、知人の葬儀
  • 体調不良や虫歯で病院や歯科に行くはめになること
  • 突然故障した家電製品や自家用車の修理依頼
  • 運転中に追突され、予期せぬ、もろもろの事後処理
  • 確定申告の書類作成
  • 転居による引越しや、住所変更手続き
  • 相続の手続き (原戸籍の入手などは結構手間がかかる)

やや特殊なところで

離婚の調停や、スピード違反で警察に出頭するなどは、身から出た錆とは言え、厄介な雑用の部類に入る

もっとも、えらーい人達は

そんな雑用の殆どを、きっと付き人か誰かがやってくれるだろう
お金持ちは、代行業に任せてしまうだろう
ある程度、名の知れた芸能人なら、きっとマネージャーが雑用を引き受けるだろう
だから、これらの人々は、雑用の面倒さがわからないかも知れない

僕が、以前、ある病院の院長をやっていた時

医師を派遣してもらうため、いろいろな大学の教授と、頻繁に面会をする必要があった
しかし、これら教授とのアポイント取りは、すべて、病院の担当事務官がやってくれた
これを自分でするとなると、結構大変だったことだろう
この事務官のおかげで、僕は、決められたスケジュール通りに動けば良かった

さて、国民の大多数を占める、僕ら庶民にとって

雑用は、全て自分で処理しなければならず、ありていに言えば面倒以外の何者でもない

ただし、今は、昔と違って

「雑用」 を代行してくれるサービスを行うビジネスが、どんどん増えている
要するに、お金さえ払えば、我々の 「雑用」 の負担が減るしくみである

たとえば、引越し業

引越は、とても自分一人ではできないことだけに、ありがたい
貸し金業法改正後の最近では、 「払い過ぎた利息を取り返します」 という、うたい文句の法律事務所も増えている
宅急便も普及した

しかし、日常のこまごました個人的なことは

結局、自分で処理するしかない
僕は、雑用が何よりも、嫌いで、うっとおしい、面倒なことと感じていた
過去形にしたのは、今は違うから

「雑用」=面倒 と考えるから不幸なのだ

どうせやらなければならないのなら、過程を楽しんでしまおう、と発想を転換してみた

通常、 「面倒なこと」 は

ごく普通の日常生活の中に、突然転がり込んでくるものである
言ってみれば、忙中の非日常の出来事
「雑用」 は、それほど慣れていない非日常であるから、敬遠されるのだろう
しかし、普段あまり経験できないことが経験できる機会と考えれば、それは楽しい
新しい発見があり、何かを学ぶことも多い

一見面倒と思うことも、やり始めさえすれば、いつかは必ず終る

終った時の 達成感爽快感
これが、結構大きい

面倒だと思うと、つい後回しにしたくなるのが人情

だから、面倒な 「雑用」 は、いち早く処理してしまうのがコツだ

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