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No.142 大人の付き合い

2012/04/12

「利害関係」

これが、大人の付き合いの基本である

学生時代とは異なり、大人社会へ入る瞬間から、我々は 「利害関係」 の真っ只中に投げ出される

子供時代に仲の良かった兄弟も

大人になって、それぞれ家族を持つと、親の財産の相続で争ったりする
兄弟だって大人になれば、結局、利害関係でつながっている
悲しいが、大人社会では、利害関係を抜きにしては、人と付き合う理由がない

例を出そう

誰かと 「仲良く」 会食をする
接待であったり、密談であったり、単なる慰労会であったり、名目は様々だが、目的はただ一つ
自分に 「利益」 があるから会食をする
自分に害のあるような会食は絶対しない

もちろん、 「利益」 は多種多様だ

  • 商談を有利に進める
  • 相手に気に入られたり、自分の存在をアピールする
  • 職場での自分の立場を有利にする
  • 自分の寂しさを紛らわす
  • 相手の相談に乗ることで、貸しを作る
  • 酒を飲ませて、相手の真意を探る

など など

他人に優しく振舞う根底には

そうすることで、きっと自分が好かれるだろうという利益を期待する深層心理がある
少し、勘ぐり過ぎかも知れないが

他人に高圧的に振舞えば

どこかでしっぺ返しを受けるだろうと思うから、すなわち自分の利益を損なうことがわかるから、大人は喧嘩をしない

大人社会は、このように利害関係を基本に構築されているから

間違っても 「愛」 などを期待してはならない
大人社会に 「信頼」 という言葉は、通用しない

大人社会の基本は 「信頼」 ではなく、 「信用」 である

似ているようで、この2つは大きく異なる

「信頼」 とは

例えばAさんとBさんとの間で成り立つもので、あくまで個人的な関係である
だから、学生時代の友人関係などでは、 「信頼」 という言葉がよく馴染む
しかし、時には、些細なことから、信頼は壊れることもある

「信用」 とは

個人ではなく、社会が認める、その人、その会社の、いわばブランドである
決して壊れることがあってはならない

商売の基本は 「信用」 である

自らの労働力を売って、その対価としての賃金を得るサラリーマンも、商人の一種である
だから職業を持った大人の全ては、利害関係の中、 「信用」 を頼りに、社会活動をする

しかし、別の見方をすれば

大人社会は、利害関係が基本であるが故に、却って楽なのかも知れない
いかに嫌いな相手でも、利害関係が無くなれば、関係はスパッと切れる
たとえば、今の会社が嫌なら退職すればよい
会社との縁はスパッと切れる

結局、きっと、誰もが漠然と感じていること

すなわち当たり前のことを文章にしてみただけのことかも知れない
しかし、 「大人社会は 利害関係 だけで成り立っている」 と、はっきり自覚できている人は、そんなに多くはないだろう
だから、種々の社会問題や、事件が起きる

僕が、こんな、身も蓋もないような話を書けば

「お前、最近、何かあったんか」 と聞かれそうだ

いや、別に何も ・ ・ ・

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