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No.154 スピーチ

2012/05/14

僕も、さすがにこの歳になるまでに

何十回となく、披露宴に招かれ、スピーチを頼まれて来た
余談だが、新郎が医師、新婦も医師か医療関係者という場合が多く、列席者は医療関係者が殆どで、まるで、医師会か、医学会の懇親会のようでもある

スピーチは

慣れてしまえば簡単なように思われるかも知れないが、これは、色々な意味で、意外と厄介なものだ

先ず、基本中の基本として

新郎、新婦の氏名、その読み方を間違えてはならないが、この間違いが結構ある
名前の読み方くらいなら許せるが、過去には、新郎の姓の読みを間違えた人もいた

「あの二人、結婚には漕ぎ着けたけど、この先が一体どうなるものか」

本音では、そんな意地悪なことを考える場合もある
それでも、スピーチする側としては、本当に嬉しそうに、祝いの言葉を述べる

参列者の大半は

披露宴参加に慣れきっているはずだ
だから、 「スピーチなど早く終ってしまえば良い」 と考えていることだろう
「早く食べて、早く帰りたい」

そのうち、どこかから、参列者のベビーの泣き声

そして、それをなだめる若い親の声
はじめのうちは皆、静かに聞いているが、お色直し前後ともなれば、列席者同士が勝手に会話を始め、スピーチなんか、誰も聞いてはいない
新婦も不在の、そんなシチュエーションで喋るのは少々空しいが、皆、アルコールが回り、誰も真剣に聞いていないから、反面気楽だ

さて、話の内容は

スピーチをする人の立場によって大きく異なる

友人ならば

新婦、あるいは新郎のエピソード程度でよい

会社の上司ならば

新郎、あるいは新婦の、会社での活躍ぶりを、かなり誇張して語れば良い
このあたりまでは、アドリブでも十分可能だろう

さて、来賓レベルになると、スピーチの内容はがらりと変わる

  • 「結婚とは」
  • 「人生とは」

など、列席者の誰もが、全く興味のないような、一般的な話をしなければならない
間違っても、来賓が新郎、新婦のエピソードなどは、あまり語らないのが、来賓スピーチの暗黙のルールである

しかも、来賓挨拶は

宴のはじめのほうだから、皆、しーんとして聞いている
参列者は、まだアルコールも入っていない、しらふ状態
そこで、スピーチの内容が問われることとなる

だから、よほど心に残ることを言わなければならない (と思ってしまう)

いや、実は聴衆にとっては、内容など、多分どうでも良いのだ
むしろ、聴衆は 「日頃口下手なあの人が、噛まずに、きちんとスピーチを終えられるのだろうか?」 などという所に、興味があったりする

しかし、スピーチをする側は

意外に真剣で、参列者に、ある程度の新鮮味や感銘を与えたい、などと考えるわけだ

そこで、僕は次のような策を取る

過去の著名人の語録をパクるのだ
僕の本棚には、この類の本が多く並んでいる
「世界の名言集」 みたいな奴だ

僕が言うのもおこがましいが

過去の著名人は結構、良い名言を残している
さすがに、他人の言葉をそのままパクるわけには行かないので、 「米国の心理学者○○はこのように言っています」
と、引用しながら、多少脚色を加え、話を発展させ、結論に持って行く

僕は、いつもこの方法で乗り切ってきた

なお、スピーチの一般的なポイントとしては

大きな声で、滑舌よく、ゆっくりと、元気良く話す、ということを、きちんと押さえれば合格だ

皆さん、少しは参考になったでしょうか?

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