2012/11/19
7月の定期受診日に 「肩が張って仕方がない」 と訴えた
どうも、普通の肩こりではないらしい
さて、病名は何だろうか?
一般にはリウマチ性多発性筋痛症 (PMR) を第一に考える
PMRは高齢の女性に多い疾患である
鑑別するべき疾患は頚椎症、繊維筋痛症など
ステロイド (プレドニゾロンPSL; 5mgを 1日 3回) を処方した
「肩の張る感じはすっかり良くなりました」 との返答
これで、PMRの診断は、ほぼ間違いないと考え、PSL 15mgを継続投与した
ステロイドの投与期間はどのくらいにするべきか?
通常、少量の維持量を比較的長期間投与するというのが教科書的であり、2年前後が多いとされている
「PMRは側頭動脈炎の延長上の疾患であり、また悪性腫瘍を合併することが多い」 との記載が教科書にある が、今まで診断してきたPMRで、悪性腫瘍の合併は殆ど経験したことがない
悪性腫瘍発見のため、果たして、頭の先から足の先まで、すべて検査するべきであろうか?
15mgを 10mg、さらに 5mgまで減量した
「暫く調子が良いので、あの薬 (PSL) はもう飲んでいません」 と
でも、血液検査は正常化しているし、症状の再発がないのなら、別にPSLなしで良いのではないか?
それとも、そもそもPMRという僕の診断が間違っていたのか?
腎、膠原病関係に造詣の深い、先輩のM先生に直接電話をして聞くこととした
M先生は、某有名市中病院の副院長をしている方なので、きっと多忙だろうと気を使い、結局、夕方に電話をする
M先生は快く相談に乗って下さった
ということであった
また、比較的短期間にPSLが中止できる例もあるとのこと
勉強になる
丁重にお礼を言って、電話を切った
自分よりもキャリアが上の先輩が少なくなる
僕の質問に、いつも的確に答えて下さるM先生は、グレートだ
※ CRP : 炎症の強さを示す指標