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No.232 東新記念病院シリーズについて

2013/04/11

僕は、最近、しばしばこれを掲載しています

「この物語は完全なるフィクションであり、実在する団体や人物とは一切関係がありません」

との注意書きを入れてはいますが、物語に出て来る症例に関しては、すべて本当にあった事例をベースにしています

ありきたりのケースは避け

意外な 「落とし穴的症例」 を選んでいるつもりで、少しでも読者が 「あるある、ありうる」 と思っていただければ幸いであります

医学専門用語や医療業界用語が多く出て来ますが

物語にリアリティーを持たせるためには必須と思うからです
もちろん、読者には医療関係以外の人も多いことから、専門性の高い用語にはできるだけ注釈をつけていますが、完全ではないと思います
それは、ディテイルはわからなくても、物語の大筋は分かってもらえると信じているからです


医療には、多くの不確実性が存在し

教科書になくても、文献がなくても、手探り状態でも何とか突破口を見つけ出し、診断をつけなければならない場面に遭遇することが多いものです

そんな時は 「EBM: evidence based medicine 」 など、何の役にも立ちません

EBMとは一般に、診断が定まってから持ち出すものだからです

一見関連のないような症状の羅列を聞くと、診療側の頭は混乱します

患者さんの訴える多種の症状の中で、一体何が診断に結びつくのか?

これを探し当てるのは、残念ながら、科学ではありません

「きっとこれだ」 という、一種の勘とでもいうのでしょうか
これは、何千、何万という症例を診て来た経験から導き出される勘かも知れません

また、実際自分が経験していなくても、雑誌や学会の症例報告を記憶していることから導き出される勘もあるでしょう

勿論、 「勘」 ですから、はずすこともあります

思い込み、先入観が診断を狂わせることは、これまでのエピソードでも何度も語ってきたとおりです
だから、 「二の矢」 を考えておくことが、勘としての 「一の矢」 以上に重要だと僕は考えます

これからも、 「東新記念シリーズ」 は続けるつもりです

登場人物の背景、家族関係、恋愛模様など、僕の頭の中では出来上がっているのですが、飯綱病院の公式ブログであることを考えて、敢て医学に的を絞った構成にしています

どうかお気軽に、ご愛読下さいますよう、よろしくお願い申し上げます

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