2013/07/24
生データの加工などによって、偽論文はいとも簡単に発表することができる
主として患者やボランティアを用いているし、何年という長期に亘る観察が多いから、他の研究者達が容易に再現実験をするわけにはいかない
都合の悪い結果の出た被検者のデータを除外するなど、日常茶飯事であるのかも知れない
年間何千本も掲載される臨床医学論文の中には、本当は捏造論文など、山ほどあるのかも知れない
もちろん、もし捏造が発覚すれば自分の研究者としての立場は永遠に剥奪されることを覚悟の上での確信犯である
実験医学や基礎医学の分野では、実験によってのみ事実を確かめることができる
だから、他の幾人もの研究者達が、論文に書かれている方法で実験を行い(=追試)、著者と同じ結果を得た場合に、はじめて原著の正当性が認められる
著名な医学雑誌に掲載された臨床研究の結果や論文などを礎として、いわゆる 「○○診療ガイドライン」 が作られる
そして、そのガイドラインに従うことが 「エビデンス」 に基づく医療の一つであり、これを我々は EBM (evidence based medicine) と呼ぶ
いつどこで応用されるのか全く不明、いわば趣味で書いたような論文を学術雑誌に掲載するのとは重みが違う
著者は 「業績」 として高いポイントを稼ぐことができ、昇進、昇格、などに繋がる
だから、なりふり構わず捏造臨床論文を作り続ける 「研究者」 がいたとしても、不思議なことではない
もちろん僕は、大多数の臨床研究や症例報告にウソはないと信じる
僕達はMR (医薬情報担当者 ≒ 薬品会社の営業担当者) の示す、自社製品の 「エビデンス」 を容易に信じたりはしない
当たり前だが他社の同種の薬品と比べて、その優位性か、少なくても非劣性を示しているものばかりだから