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No.316 就労二極化時代?

2014/04/24

ネット通販大手、アマゾンは

「平成 15年度から、無人ヘリコプターで注文品を届けるサービスを始める」
と発表した

多少の物事の進歩にはさほど驚かない僕でも、これにはさすがに驚いた

そしていらぬ心配までした

  • 「カラスに奪われないだろうか?」
  • 「誰かがいたずらで、空気銃で打ち落としたりしないだろうか?」
  • 「ヘリが故障して、頭の上に落ちてこないだろうか?」

無人の小型ヘリコプターには GPS機能がついていて

パソコンで発注すると、数時間以内に自宅に注文品が届くという
もちろん、僕の心配するような事柄に関しては、すでに万全の対策が予定されているはずだが


これは僕の推量だが

このアマゾンヘリのサービスを演繹すると、コンビニエンスストアはいずれ無人化する

今までに無人化したものはたくさんある

  • 駅の改札
  • 高速道路の料金所
  • セルフシステムのガソリンスタンド
  • キャッシュカードを使っての自動引き出しや入金
  • やきそば、たこ焼き、鯛焼き、などが加熱して出て来る自販機

未来のコンビニだって例外ではないはずだ

各商品を自動販売機によって販売すれば、コンビニに販売員は不要
深夜、店員が襲われる危険もない

書籍やCDだって自動販売が可能だし

すでにこれらはネットで買う時代になりつつある
もちろん法律を少し変えれば、これらをコンビニで扱うことだってできる

さらに、マクド、ミスド、スタバ、牛丼店も自動販売化は充分可能だろう

販売という行為は

本来サービス業であり、古来から、人がおこなってきた
しかし、機械がそれをすれば、人件費や、人事管理が不要となる

今後は、国民数の減少によって、消費人口が減少する

そればかりでなく、長引く不況下では、国民の購買力や購買意欲が低下する
これらの逆境の中でも企業が利潤を上げるためには、経営の効率化が重要課題であり、企業会計の支出の中では人件費の占める割合が大きい
すなわち、会社は、できる限りの人員削減をしたい
だから、近い将来、販売には人を使わなくなるであろう

日中戦争・太平洋戦争終結後

荒廃しきった街の再興や、経済の再構築には、とにかく人の数が必要であった
重機さえ、ろくになかった時代、つるはしやスコップを使う人の数が必要であった
だからビル建設現場や工場や商店は、多くの人を雇用し、彼らは単純作業に従事して、報酬を得た
そして、日本は好景気に沸いた

ところが今はどうだろう

工場では、精緻な作業をこなす産業用ロボットにより、熟練職人は不要となった
建設現場でも、機械化やパーツの工場生産化により、従事する人は激減した

いつか開通するはずのリニア新幹線は、原則無人運転だと聞く

完全な無人運転の自動車も実用化され、法整備と運用を待つだけの状態
これで、運送業 (物流) も人手が不要となる

農業だって

いずれ、気象環境の整ったビル内で、作物が工場生産される時代が来るだろう
水産業だって、養殖により、魚が工場生産される時代が来る

それでは、人間はどこに必要なのか?

自動化を達成するまでのシステム開発や管理をするプロ集団は必要

販売交渉要員など、一部の高度なプロ集団は必要

すなわち

「誰でもが成人すれば何かの職業に就ける」
という古き良き時代の終焉はもうそこまで来ている

「少子化により、就労可能人数が減っているのにも拘わらず、就職難」
という矛盾は今、すでに現実となっている

これからは

この傾向がさらに加速するのではないだろうか?
現在で、すでに、派遣労働やアルバイトだけで、一生、不安定な生活をする人も多いと聞くが、そのアルバイトさえ、募集のない時代が来るような予感がする

高度な知識や技術や資格を獲得した一部の人だけが

生き甲斐のある職種につくことができ、そうでない人は、「大学は出たけれど、一生、正職に就けない」という、就労二極化時代がいずれ現実となりはしないか

これが僕の杞憂であれば良いのだが ・ ・ ・

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