2014/07/01
国営放送であり、戦時中、ラジオで 「大本営発表」 を放送し、国民の戦意を高揚させ、世論を戦争へと傾け、無謀な戦争を進める軍部を後押しする役割を担っていた
と、まあ、それは過去の話
戦前の国営放送 (日本放送協会) を、戦後 GHQの指導で、英国の公共放送である BBCをモデルにして、受信料を主な財源とする体制に作り変えたものだから、両者の運営形態は酷似している
ひとつの点を除いて
自由な番組作りが可能であるのは利点であろう
そして潤沢な資金を使って、民放では到底製作できないような壮大なドラマを、豪華なキャストを多数使って制作することも NHKの強みであり魅力でもある
今の NHKの番組作りには問題点が多いように、思うからである
しかし、どうしてもいただけないのが、バラエティー
そもそも、 NHKがバラエティーをやる必要性がどこにあるのかと思う
夜の時間帯で放送されることが多いが、一様に面白くない
内容がつまらなくて下らなくて笑いの質が低すぎる構成のものばかりである
30年前の民放のバラエティーを髣髴 (ほうふつ) とさせるくらいのロークオリティーである
今、その体質が全く消えているなどとは俄かには信じがたく、そのせいか、 NHKには官僚的なにおいがつきまとう
そういった、堅苦しさを払拭するためのバラエティーなのだろうが、とても成功しているようには見えない
「視聴者の知的レベルはこんなもんだろう」
と考える、局関係者の上から目線、エリート意識さえ見え隠れする
今は 「Eテレ」 と自称しているチャンネルの、前の呼び名だ
このネーミングにこそ、まさに
「視聴者を教育、啓蒙してやろう」
という姿勢が見えたものだ
暗くて重いテーマが多く、楽しめるものは少ない
地上波と変わりばえしない内容に辟易して、遂に見るのをやめた
NHKはアニメや歌謡ショーや、お笑いバラエティーも製作していた
民放が充実した今日、もうこの役割は終ったのではないかと思う
NHKは終夜放送をほぼ毎日やる
内容は、山や自然の風景だったり、 SLのフィルムだったりと、一体誰が見ているというのだろうかと思ってしまうような番組を朝まで続ける
(そういう僕もたまに視るから知っているのだけれど)
放送していれば、僕のように視聴する国民もいるだろうから、深夜に無駄な電気を消費することになる
再放送をするくらい時間が余っているのなら、再放送をとりやめ、余った時間は放送休止にすべきではないのか
本当に視たい番組なら視聴者は録画するだろう
視聴する人が受信料を支払うことに異議はないが、 NHKを滅多に視聴しない人だっているはずだ
だから WOWOWのように、受診契約をした人にだけに配信をすればよいのではないか
もっともそんなことしたら、加入契約する人が意外に少なくて、 NHKの歳入が激減する可能性があるという見方もあるだろうが
したがって、スポンサーである視聴者には、番組の視聴率を誰にもわかる形で、自ら開示すべきである
と、声高に言ってはいるが、スポンサーたる視聴者が意見を言える機会はないに等しい
受信料を徴収するのならば、視聴者の意見をもっと広く受け入れ、番組制作に反映させる体制を作るべきであろう
国民は、NHKの報道内容を、公正中立なものと勘違いして、無批判にこれを受け入れてしまう傾向がある
製作現場の担当者は、取材の課程で、彼が全聾ではないことに薄々気付いていた可能性がある
それでも放映してしまった
「 NHKが製作したのだから、国民は信じるに違いない」
と、高を括っていたのかも知れない
そして、随分あとになったタイミングの悪さで、謝罪記者会見をすることになってしまった
2004年に、国会総務委員会に参考人招致されていた当時の NHK会長に対して、ある国会議員が
「もはや NHKが芸能番組を放送する意味はなく、巨額のお金が動く番組を作るから不祥事が起きるのではないか」
と質問した
「この模様は、 NHKの録画中継では全部カットされ、しかもこの委員会中継の録画は深夜に放送された」 との記述がウィキペデアにはある
「公共放送」 とは言っても、実態は国営放送となんら変わらないのだろうか
(そもそも 「公共放送」 の定義すら明確ではない)
5年ごとに、自らの存続を視聴者に問うシステムがあると聞く
NHKにはそんなルールがないから、視聴率など一切気にせず、豊富な財源を贅沢に使った番組を作りつづける
政治とは独立した、また企業とも独立した、中立の報道機関があってほしいと思う