2014/07/30
デジタル化によってアナログ文化が消えてゆくのは、すこし寂しい
もともと人間の構造はアナログである
つまり、白か黒かだけでなく、その中間、グレーも含んでの連続で構成されている
その最たるものは書簡だと思う
肉筆で書く人は、現在どれくらい、いるのだろう?
電子メールが普及した現代において、手紙や葉書は確実に減少していると思う
ある調査によると、年賀状を除いた手紙、葉書の類を、一年のうち一度も書かない人の割合が激増しているという
漢字を正確に書けなくたって、ワープロ機能が助けてくれる
送信した瞬間に相手方に伝わるし、受信者は即座に返信できるスピード感
だから、ビジネスでは電子メール主体であることは理解できる
古くからタイプライターが普及していた欧米でも、私信は肉筆で書いていたという
葉書や便箋や封筒の選択、また文字の大きさやレイアウト、丁寧さにも工夫が必要であるし、それによって受け取った人は書いた人のセンスを窺い知ることもできる
だからこそ、肉筆の書簡は価値があるのだと思う
紙に書かれた書簡は何十年でも保管できるのに対して、メール (電子) は、いつか何かの拍子に消えてしまう、もしくは捜せなくなってしまうかも知れない
封筒の文字も、便箋の文字も全て筆ペンと思われる筆書で、丁寧に書かれた美しい文字が並んでいる
これには感動した
いくら親しい仲であっても、電話では失礼、電子メールだって失礼だと思う
気がつくと着信は、ほとんど病棟から、あるいはもろもろのビジネスメールだけになっていた