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No.471 学習

2017/01/31

今年、北信地方は昨年に比べて雪が多い

5日間、間断なく降り続いたこともあった
車道は 町が除雪をしてくれるのだが、各戸の周辺は 自分達で除雪をすることになるので、大変である

僕の家は 公道から 30メートルほど農道を入った場所にあり

その奥は りんご畑で、冬は 人の出入りが全くないから、すこし除雪の手を抜くと雪は積り放題となる
除雪をする暇のない朝は 車も出せず、徒歩で職場に向かう

この冬は いくつかの事を学習した

学習 その 1

除雪されている道は 凍り付いていて滑るので、あえて裏の畑側の農道を進む
ひどい時は 大腿まで雪に埋まりながら進む
これが とても体力を要する作業で、たった 30歩も歩けば息苦しくなり、くたくたである

少し休憩して深呼吸、再び、ひたすら歩き出す

深い新雪は 滑る危険はないが、踵に重心がかかるような歩き方をすると、バランスが取れないで後方へ仰向けに転ぶ
仰向けに転んだところで怪我はしないが、問題は 容易には起き上がれないこと
起き上がるために雪面に手を突けば ずぶずぶと沈んでしまうからである

だから決して踵を雪面につけず、つま先を雪面に突き刺す要領で前傾姿勢を保ちながら歩く
まさに雪中行軍である

学習 その 2

帰り道
朝歩いた所は 自分の靴の跡 (むしろ穴) があるから、その 「穴」 に、正確に靴をつま先から蹴り下ろす
日中に降った雪が穴にかぶっているので 多少は沈み込むが、朝ほどの苦労はなく帰宅できる
無論 LEDヘッドランプは装着しているが、穴をたどれば自然と自宅に辿り着くから 実はランプはいらない

職場で同僚と話しをしていたら、スノーシューやカンジキを薦められた

買いに行こうかとも思ったが、今は 車が出せない非圧雪状態
慣れたから、暫くは今の方法で通勤することにした

学習 その 3

雪靴と靴下の間に雪が入り込むのを防止するために用意するのが レジ袋
これを靴と靴下の間に きっちりと挟み込むひと手間かければ雪の侵入を防ぐことができる

学習 その 4

雪かきは スコップや 雪かき用の道具を使わない
僕は脊柱管狭窄症があり、通常の雪かき姿勢をとれば 腰痛どころでは済まなくなる可能性が高いからだ
公道までの農道の除雪は、紫外線による雪目を避けるため、早朝、深夜におこなう

「道具を使わない方法」というのは、雪面を ひたすら歩き回ることである

30分も歩き回れば 30平米は雪が固まる
だから 正確には除雪ではなく、 「圧雪」 である
除雪と異なり 雪を捨てる場所もいらない
いい運動にもなる

学習 その 5

蟷螂の卵の位置が高かったので大雪を予想して、降雪期前に ジープ ・ ラングラーを買った
最低地上高が かなり高い車なので、多少の雪面は除雪なしで走行できると考えていた
雪を蹴散らしながら走行する ラングラーのカタログ写真をみて そう確信した

テレビCMで流れる、雪の原野を山頂まで 4台連なって駆け上がる四駆車の印象も強かった

ところが現実は違った

「最低地上高が高い」 といったところで 30センチにも満たない
50センチくらい? の新雪の積った自宅前の農道に進入したら、いきなり動かなくなった
雪面に腹を乗り上げて 4輪が浮き上がった状態になっていたのだ
ジープは悪路走行を想定して設計されているのであって、雪中走行など視野には入れていないのだろう

教訓 :

どんなごついクルマでも除雪された所だけを走ること

もしも、あのテレビCMどおりの事を本当に実行したなら、雪中遭難まちがいなしである

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