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No.464 耳石とアンチエイジング

2016/12/09

以下は NHKの、ためしてガッテンで 11月に放送され、反響を呼んだ回の内容を、かいつまんだものである

観ていない人も多いと思うし、そして、何より僕にとっては 目から鱗であったから、ブログに書き留めることとした



宇宙飛行士は 地球に帰還した時

独力では立てないくらい 下肢の筋力が低下している
彼らは 宇宙船内では 1日 3時間の筋肉トレーニングを 毎日課せられているのにも拘わらず、無重力で暮らした結果がこれである

これは 一体どういうことか?

それは、無重力状態では 耳石が浮いてしまい、絨毛から離れた状態であることと深く関わりがある


ヒトの内耳には 小さな石があり、これを耳石という

通常の重力下では 体位を変換すると その石が重力に応じて動く
石は 絨毛の上に乗っかっているから、石が動けば 絨毛が動き、絨毛の動きで ヒトは傾きを感じてバランスを取るために 下肢の適切な筋肉を動かし、体位を保つことができる
つまり、耳石の動きが 筋肉の動きを支配している

無重力状態では

耳石経由の 筋肉への指令がおこなわれないために、どれだけ筋肉トレーニングトレをしても、カロリーを消費するだけであって、筋肉量の増大にはつながらず、したがって筋力の低下は 防ぐことができないということらしい

これは NASAの研究から明らかになったことであるという

宇宙では 加齢現象が地上の 10倍の速度で進むとされている

これは、つまるところ 無重力のせいで耳石の機能が発揮できないことに起因していると番組では言っていた



さて、宇宙旅行などしない大多数の地球人には関係がないこと?

さにあらず
驚くべきは、地上に暮らしていても、無重力下に置かれたと同様のことが起こりうるのだそうだ

それは、長時間座っていること

この状態では 耳石は動かず、無重力状態と変わらないという
1時間座っているだけで 加齢現象が進行し、何と 22分間も寿命が短縮するというデータまであるらしい
しかるに 生活が便利になった現代、座ったままの生活時間が長くなり、ヒトは 平均 9時間ほどを座って暮らすという

では どうすれば良いというのだ


ご安心あれ

最新の研究では 「一度立ち上がって また座る」 だけで、筋力低下などが防止できるという
つまり 耳石を動かすことが重要なのだ

NASAの研究では

1日 32回の 「坐位→立位」 をすれば、坐位の弊害が防止できるという
目覚めている時間を 16時間と考えると、 30分に一度、この動作をすればよいことになる
この 「坐位→立位」 は、ウォーキングよりも効果的とのこと
こんなにも簡単なことで 筋力が維持できるとは驚きである



さて、僕の生活はといえば

月~ 土曜日は 外来診療で座りっぱなし
家に帰れば テレビの前に座りっぱなし
これでは 宇宙飛行士と同じことになってしまうではないか

2つの名案が浮かんだ

ここからは 僕オリジナル


ひとつ

外来中やテレビ鑑賞中は 頻繁に水分を摂る
できれば緑茶が良い (緑茶は 歯周病予防にもなると、これも確か いつか、ためしてガッテンでやってたな)
そうすれば過活動膀胱気味の僕は、嫌がおうでも頻繁にトイレに立つことになる
恐らく 30分に一回くらいは


もうひとつ

腹筋運動をする
腹筋運動は 上体を起こしたり倒したりの繰り返しであるから、耳石は さぞよく動くことだろう
偶然にも僕は 春ごろから、腹筋運動を日課としていた
そういえば、腹筋を始めてから 下肢の筋肉までついたような気がする

やはり NASAの言っていることは本当のようだ



あ、しまった

ためしてガッテンは 45分番組だ
座りっぱなしで観てしまったではないか
寿命が 19分縮まった
どうしてくれる NHK

ためしてガッテンは 30分番組にしてくれませんか

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