2011/12/01
会場に到着したのは正午ごろであった
久しぶりの学会出張である
開催地が渋い
奈良市である
しかも、興福寺や東大寺のすぐそば、奈良市新市民会館である
巨大化して会員数の多い学会は、大きなコンベンションホールを備えた都市でしか開催できなくなってしまっている
しかし、今回の学会は会員数がさほど多くないたため、学会長先生の大学所在地で行われ、結果的に僕は、遠くに旅行する羽目となった
「タクシーで○○分」 と書いていないところがミソなのだ
会場まで歩いて下さいと暗黙に伝えているのかも知れない
往路は、歩いている暇などなく、タクシーを使った
道の両側には、猿沢の池、興福寺の五重の塔、東大寺など、観光名所が並び、参道のみやげ物屋や、茶屋や、一辺500歩もある長い壁の、いかにも旧家といった建築や、観光客用の人力車もならび、結構雰囲気が良い
平日で、夕闇が迫っているというのに、観光客の数は一向に減らず、英語、中国語、韓国語が随所で聞かれ、奈良市が国際的な観光都市であることを改めて感じさせられた
人に慣れ切っているのか、さりげない顔つきで人に混じって歩いている
雌はこころなしか優しい顔、雄はどことなくトナカイに似て、やや精悍な容姿だが、いずれも穏やかな表情だ
老若雌雄の鹿がいて、若い鹿は瞳が澄んでいるし、老いた鹿はそれなりに風格があるものの、毛並みが悪く、哀愁が漂う
夕暮れの東大寺境内は、手入れの行き届いた美しい庭園に紅葉が映え、小学校の修学旅行以来、50年ぶりの訪問であったが、少しも変わっていないように思えた
充分満足するものであったが、当初、 「せめて京都で開催されれば良かったのに」 と思っていた自分の考えは、実は誤りであることに次第に気づいていた
昔は、知識獲得が2割、観光8割といった感があった
今は、認定医、専門医更新のための単位を求めて出席するものだけになってしまったと言っても過言ではないだろう
しかるに、学会はネットでも開催できるこのご時勢、観光地での開催は、日々の診療に疲れた心を癒してくれる面もあるのだ
朝5時半に自宅を出発して、帰宅が午後11時半であるから、18時間の日帰り強行軍、非日常を体験した1日であった