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No.416 経験値

2015/12/05

最近よく耳にする単語である

殊に 20- 30歳代の 比較的 (僕から見れば) 若い世代が頻用する

広辞苑で 「けいけんち」 を引いても載ってはいない

正式な日本語として、まだ認知されていないのだ

ゲームをする人は知っているのだが、 「経験値」 とは ゲーム用語なのである

ロールプレーイングゲームなどでは 経験する数が多いことによって 「レベル」 が上がるが、そういった 「経験」 を数値化したものが 「経験値」 となる

ゲームで使い慣れた言葉であるから

一般の会話の中でもつい 「経験値がアップする」 など使ってしまっているのである
「経験値」 とは ゲームに関連した造語ではあるが、米軍の昇進システムにヒントを得ているという

一方、weblio辞書で検索すると

実用日本語表現辞典には 「経験知」 と記載されていて、 「経験したことで得た知識」 と解説されている

「けいけんち」 と言っている人、どちらの意味で言っているのでしょうか?

どちらも大した違いはないか


話は変わって、旅客機の 客室乗務員の名称

昔、女性の客室乗務員は スチュワーデス、略して スッチー
現代風には CA (キャビンアテンダント) と呼ぶことが 日本では一般的である

ところが、 「キャビンアテンダント」 が 和製英語であることは 意外と知られていない

米国では 客室乗務員は フライトアテンダント、操縦関係者は コクピットクルーと呼ぶという

昔は それこそ 「スチュワーデス」 と呼んでいたが、男性の客室乗務員もいることから 「フライトアテンダント」 に呼称変更したとされている

操縦士、副操縦士の コクピットクルーに対して、客室乗務員を キャビンクルーとも呼ぶ場合もある

この 「フライトアテンダント」 と 「キャビンクルー」 とを組み合わせて創作してしまったのが 「キャビンアテンダント」 なのだろうが、 CAとまで略してしまうと、僕ら医者にとっては 職業柄 「癌」 (cancer=CA) と紛らわしい

因みに 広辞苑に 「キャビンアテンダント」 という項目はない


「経験値」 も 「キャビンアテンダント」 も、共に正しい単語ではない

それでも 言語は生き物であるから、皆が使えば、次第に正しい使い方として認知され、いずれは 辞書にも載るのだろうか?

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