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No.460 米国大統領選挙直後のデモの不思議

2016/11/16

トランプ候補が 新聞等メディアの予測を裏切って大統領に選出された

合衆国憲法にもとづいた民主的選挙制度で 正式に選出されたのである

しかし、奇妙なことに今

米国国内で トランプ氏の大統領就任に抗議するデモがいくつも起き、他の国家でも 同様のデモが起きているという

しかるに、これは民主主義の論理からすると奇異である

デモをするなら 相手はトランプ氏ではなく、彼を選んだ 有権者が筋だろう
相手が 違うのである

有権者のいない他国でデモが起きるのは仕方ないとしても

合衆国国民が、 2年もの期間をかけて、候補同士の討論を さんざん聴いて、自分達で選んだ結果が トランプ氏なのである
変革を好む米国民が、変革を期待して選んだトランプ氏
結果を むやみに否定していたのでは選挙の意味がないではないか

合衆国は 日本とは事情が異なり

多民族の共生国家であるから、おのおの立場の違いは 想像を超えて大きいのだろう
また合衆国大統領選挙の方法は特殊であり、本当に 民意を反映しているか否かは疑わしい

しかし、選挙である限り

反対意見があるのは当然であり、対立候補に投票した人が
「自分の応援する候補者が当選しなかったから」
といった理由で デモをするなど、民主主義を掲げる国家としては 意味不明行動である

仮に、トランプ氏が大統領に就任後に

トラブル続きだったり、スキャンダルが発覚したりしてから デモをするのなら分かる
まだ 就任もしていなくて、その政治手腕もわからない今、デモをして、トランプ氏を大統領にさせないつもりか?

僕自身は トランプ氏の実体について

メディアが あたかも大ショックのように展開する 色々な見かたの論説を通じて知るだけであり、彼が 大統領になってどのように合衆国や世界が変わるのか全くわからないから、彼の当選が 日本にとって吉なのか凶なのかもわからない


似たようことは 記憶に新しい英国での国民投票

国民投票で決定した 英国のEU離脱に対して、離脱反対派がデモをしたこと
これだって 民主主義のルールを無視している


米国、英国に 共通して言えることは、多くの人々が

「まさか トランプ氏が当選するとは思わなかった」
「まさか 結果がEU離脱なんてことにはならないだろう」

と考えたから、もしかして 興味本位に 1票を投じた結果なのかも知れない
米国の有名メディアは 選挙直前、ヒラリー氏の当選確度 93% トランプ氏 7%と報じた
多くの米国民は これをみて、ヒラリー氏が 当選確実と感じた
だから
「トランプ氏に投票しても 大勢は変わらない」
と思ったのかも知れぬ

今回の一連の出来事で

「民主主義に基づく選挙」 の盲点を 垣間見た気がした

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