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chap.013 投薬日数の話

2015/05/18

一部の薬を除いて

最長 90日間までの長期投与は認められています
「一部の薬」 の代表としては、精神安定薬、一部の睡眠薬などです

患者さんの中には

「できるだけたくさん (長期間) 薬を下さい」

と言う人もいます

90日分の薬を処方されれば

年に 4回通院すれば済むわけで、忙しいビジネスマンなどには好都合なはずです
医者側も、その人を年 4回診察すればよいわけで、そういった患者さんが増えれば、外来診療に余裕ができ、よりたくさんの患者さんを担当することもできます

患者さんの中には

「長期処方によって再診回数が減ることにより再診料を支払う回数が減る」

と考えている人もいるかも知れません

しかし、診療料の内訳をよく見ると 「長期処方加算」 という料金が記載されているはずであり、再診料とは別の料金が加算されているのです

長期処方によって

患者も 医者も 楽になるのであれば、そんな良いことはないのですが、実は長期処方には落とし穴があります


薬を服用しているということは

言ってみれば異物を毎日服用していることであり、いつ、どんな有害な副作用が出現するか、誰にもわからず、何もおかしな症状が出ていないからといって安心できるものではなくて、血液検査をしてみたら肝機能に異常が出ていたなどといったこともしばしばあります

特に、新たに処方された薬であれば

8週間以内に 「副作用」 が出ることが多いので、いきなり 2ヶ月処方をする医師はいません
しかるに、何年も服用している薬で、今まで何の副作用も出ていなかったからといって、安心することはできず、服用後数年経って始めて 「副作用」 が出ることだってあります


このような意味で

理想は 一ヶ月に一度の診察や、年に数回の血液検査が必要ということになります
また、投薬日数が増えて受診回数が減少すれば、血液検査、画像診断などを受ける機会も減ってしまうことになります



薬の話ばかりしましたが

実は 定期受診には別の意味もあります
特に、若くない年代の人は、いつどんな疾患にかかるかわかりません

「年に一度の人間ドック、あるいは住民検診を受けているから安心だ」

と考えている人も多いとは思いますが、人間ドックはいわば車検と同じであり、結果が全て正常であっても、それは 「その日までは正常だった」 という意味に過ぎません

幸い (?)

高血圧や高コレステロール血症、糖尿病などで通院している人は、少しの体調の変化も、受診の際に、そのことを医者に訴えることができるので、心ある医者なら、その訴えの中から疾患に結びつくものを探りあて、診断に必要な検査を追加することなどで、疾患の早期発見をすることもできます



青壮年の人ならば

2ヶ月程度の長期処方は やむをえないとしても、さすがに 80歳を超えた人は、いつどんな疾患にかかるかも知れず、早期発見のためには、最長でも 4週間間隔で受診して頂きたいと思います


私は外来診療において

受診者の年齢と、投薬内容と、疾患の種類を見きわめて、その人ごとに投薬日数 (受診間隔) を決めていますが、高齢の患者さんであれば、少なくても月に一度は診察したいと思っています
診察室に入ってくる様子、顔色などで健康状態がわかるものです

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