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No.088 健康寿命を延ばすテクニック

2011/11/18

誰でも健康寿命が少しでも長くなることを願うが

健康のまま長寿を全うすることなど、運が良くなければ達成できない
健康生活を送ろうと懸命に努力したにもかかわらず、短命に終る人もいる一方で、けっこう適当に生活を楽しんでいて長寿の人もいる
人生は不公平だ

さて、健康寿命を延ばす話だが

医学的な内容でないことをお許し願いたい
一言で言おう
「健康な時に、無駄な時間を費やさない」 ことが、実質健康寿命を延ばす コツ である

人間、物心つくのが 4歳

80歳まで生きるとして、2万7740日が、生涯の持ち時間
数字にすると、案外多いようにも感じるが、 1日 1円として考えると、2万7740円
使おうと思えば、すぐ使ってしまう金額だ

さらに、社会人として活躍できる時間は

サラリーマンが 21歳から 60歳まで勤務したとして 39年、日数にすると休日を含めて 1万4040日しかない
また、そのうち三分の一は睡眠状態にあるので、実質はもっと少ない

人は生れ落ちた瞬間から 1日ごと死に向かって歩き出す

1日ごと老いてゆく
今日の自分は、すでに昨日の自分ではない
生物学的に言えば、 1日経た自分は、昨日とは異なった体となっている
しかし、それと引き換えに、 1日分の経験を積んでいる

人生の値うちは

究極のところ、死までの時間をいかに有効に利用したかで決まる
他人が評価しようがしまいが、自分が有意義と納得していれば、有意義なのである

「人生とは、自分の持ち時間をいかに有効につぶすかである」 という見方もできる

「時は金なり」 という諺

これを字句どおり解釈すれば 「時間はお金と同じくらい大切である」 だが、僕は 「時間は買うことができない」 と解釈する

しかし、昔とは違って、今は、時間を買うことができるのだ

もちろん、買い手がいれば売り手もいる

たとえば、移動の時、在来線は安価だが新幹線を利用する
在来線よりも高額ではあるが、運賃の差額が、短縮されて浮いた時間の購入代金である
たとえば、敢えて高速道路を利用する
出費はかさむが、短縮された時間は別のことに使えるため、健康寿命が伸びたこととなる
たとえば、電車のかわりにタクシーを利用する
かなりの高額になる場合でも、「電車賃との差額で時間を買った」と思えば、その人にとっては、安い買い物かも知れない

ちなみに時間の売り手はJRであったり、ネクスコであったり、タクシーだったり、航空会社だったりするわけだ

列車内や、駅のホームで列車を待つ時間などに

本を読む、ゲームをする、携帯をいじるなどしている人はかなり多くなった
所かまわず携帯をいじる若者の行動は、色々な面から批判の対象になる場合もあるが、人生の持ち時間を有意義に利用すると言う面では賢い方法といえる

さて、待ち時間や移動時間に、特に何もしていない人が多いのも現実だ

新幹線乗車中の人を観察すると、何もしていない派が圧倒的に多い
これは、自ら健康寿命を無駄に消費しているも同然と僕には写る

もともと落ち着かない性格の僕は、何もしない時間が最も嫌いである

だから、駅のホームでの電車待ちや、電車に乗っている時など、必ず何かをしているし、出費を覚悟でタクシーもふんだんに利用する
列車を使っての長旅では、前日に徹夜をして、列車内では睡眠を取る
儀礼的な年賀状は書かない
書いている時間を無駄にしたくないから

人は、その年齢によって時間の意味が異なると言われることがある

若い時代は、自分の持ち時間の残りを気にすることもなく、幸せである
若い時ほど、初めて経験することが多く、得るものも多く、仲間も多く、楽しい時を過ごす時間が長いものと、僕はそう思っていた
確かに、ふと若い頃の楽しい思い出がよみがえることはある

反対に、齢を重ねるにしたがい、初めて経験するということが減っていき、わくわく、どきどきする機会も滅多になくなり、失う物だけ増えて行く、などと思っていた

しかし、それは少し違った

僕は、この年になっても、毎日、初めての経験や、新しい発見があり、わくわく、どきどきの連続である
失う物は確かに増えたが、毎日の体験で得るものも多く、結局チャラだ

結論:

楽しくない時間、退屈な時間、やらなくても良いことなどを徹底的に駆逐すると、健康寿命は2倍にだって延ばすことができるだろう

「なーんだ、結局、大したこと言ってないじゃないか」
と思った、そこのアナタ
有限である人生の持ち時間を、本当に有効に使ってますか?

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