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No.176 議員定数

2012/09/10

最近、誰かが発言している

「現在の衆議院定数 480を、半減の 240にするべきだ」 と

何でも

議員一人あたりの費用負担が約1億円で、年間 240億円の歳出減となるからだという
しかし、なぜ、 「半数」 なのか、根拠は示されていない
きりのいい数字だから、ただ言って見ただけなのか?

現在の日本の有権者数は約 1億人

「一票の格差」 が論じられる中、たった 240億円のために、衆議院議員数を半減するとは?

有権者 1億 451万人に対して、 240の議員数ということは

単純に割り算をすると、一人の議員が、 240万人の意見を集約、代表するということになる
こんなこと、できるはずがない

今の衆議院 480議席でさえも

一人の衆議院議員が 120万人の意見を代表する計算になるのだから、そんなこと、そもそもが無理なことを、為政者も国民も承知の上で、国政がおこなわれているわけだ

120万人に一人の国会議員によって

法律が審議され、国家の重要な事項が決まってゆくのが現実である
しかも、日本では、議員立法は レアケースであって、法律の原案の大多数は内閣から提出される
ところが、閣僚は選挙で選ばれた人だけではないので、結局、民意とは関係なく、法律が作られていることになる

これを議会制民主主義 と呼んではいるが

実は、独裁者のいない独裁といってもいい
これは、別に悪いことではなくて、必要なことなのだ
色々な意見があっても、結局、誰かが決めなければならないのだから

「民主主義」 の体面にこだわり、かつ 「経費節減」 を叫ぶのなら

「議員定数 240」 などと、中途半端なことは言わず、もっと少なく、いっそ、 50 か 100でいい
むしろ、変な派閥ができないだけ、まだましかも知れない

これは敢て、逆説を述べたまでで

僕は、むしろ、議員数を もっともっと増やすべきではないのだろうかと考える
議員一人当たりの国家負担経費 (歳費など) を 5分の1 程度に押さえ、議員定数を 5倍に増やすことのほうが、メリットが大きい

国会議員には

種々の調査費やら、私設秘書費用など、さまざまな経費がかかるのはわかる
しかし、それらは、議員の自腹でやってもらいたい
そうすれば、IT化の進んだ現代、もっと出費の少ない、効率の良い方法で、情報収集や活動ができるはずだ

議員数は、多いほうが良いに決まっている

国家運営や外交戦略に関して、答えは1つではない

色々な選択枝 (意見、アイデア) がある中で、最良のものを選択することが大切だ
そのためには、議員数が多いほど、国家にとって正しい選択ができるのではないだろうか
統計学では、サンプル数が多いほど、結果の信頼性が高い
これと、どこか似ている

中小の地方議会では、住民中、議会議員の占める割合が高い

だから、住民の声を反映しやすく、きめ細かい市政、町政などが可能となる
本気で民意を反映させようとすれば、少なくても有権者 1000人に一人程度の議員数は必要だろう
国会議員ならば、 10万人程度が必要となり、とても非現実的な数字となってしまう

しかるに、国会の役割は

地方議会とは根本的に異なり、例えば、地方議会には、立法の機能はない

民意と 国益は、相反することが多い

だから、いちいち国民の望むことを反映しようとすれば、国政も外交もできない
「国政での議会制民主主義は、実は国会内での話であって、国民とは関係がない」 と理解すれば、わかり易い

この論理からすれば

「一票の格差」 などは、あげつらうほどのことでもなく、国民の側からすれば、どうでも良いことである
さらに、近く実施されるであろう解散総選挙だって、 「日本は民主的国家です」 ということをアピールする、国家的儀式に過ぎないように思える

民意は地方議会に反映されれば、それでよい

だから 「地方分権」 が大切なのだろう

最後に

「本会議で寝ている議員がいる」 と、しばしば聞かれる

寝ている議員が、さも悪いように言われるが、つい寝てしまうような、空虚な、退屈な、白々しい議論が、きっとおこなわれているからではないだろうか?
もし、そうであれば、これこそが、時間と金の浪費、無駄というものだ

あっ

僕は、大した知識もないくせに、今日は、政治評論家もどきになってしまった
慙愧!

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