ホーム > Dr.ブログ > No.231 高齢者の独居

  • 救急の場合
  • 診療時間
  • 面会時間
  • 人間ドック
  • フロアマップ
  • 川口正展のなるほどザ・メディスン
  • Dr.ブログ

No.231 高齢者の独居

2013/04/08

「孤独死」 という言葉からか

どうしてもネガティブなイメージのつきまとう高齢者の独居

しかし、本当にそうだろうか?

家族があるのに、あえて独居を選ぶ高齢者も増えているという

これは必ずしも悪いことではないと僕は考える

むしろ、高齢者の独居は好ましいとさえ言えるのではないか

家族に囲まれて幸せに暮らしている人はそれでいい

しかし、息子あるいは娘家族と共に暮らせば、家族内の軋轢、家族ゆえの気配りのなさなどがストレスとなっていることも多いはずだ

独居であれば、身の回り、家事など一切を自分でこなす

  • 日々段取りを考えて生活するから頭を使う
  • 買い物に行き、食事を作り、郵便局や銀行などに行くから体を動かす
  • 外に出るには身だしなみにも気を使うし、人と会話もする

すなわち社会性を保ち続けることが必要となる

自立した毎日を送るわけだ

反対に、家族と暮らしていれば

誰かがやってくれる部分も多く、自分でしなければならないことが減る

炬燵からほとんど動かなくても一日が過ぎてゆくという人も多いだろう

独居は一見、面倒なことにも思えるかも知れない

しかし、誰にも気兼ねをしなくても良い自由という特権もある
また、一見面倒にも思えることを、一つひとつ、こなして行くことこそが大切なのだ

頭と体を使えばボケてる暇はないし、足腰や骨だって、いつまでも元気だ

「何かやることがある」

これは、人が生きてゆくのに、とても重要かつ有難いことなのだが、現役組はあまり、その自覚がない

退職して、初めてその大切さ、有難さに気づく

ただし

独居者の安全確認の体制作りは、まだ整備されているとは言い難い

高齢化が急速に進む我が国

今、高齢者が安心して独居できるシステム作りが急務だと思う

 |