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No.414 逆走

2015/11/28

つい先日、ローカル交通情報が

「○○インターチェンジと △△インターチェンジの間に 逆走車がいるとの情報があり、○○ICと △△IC間は 現在通行止めです」 と報じていた

自動車専用道路の逆走は 今に始まったことではないが、最近 盛んに報じられるのは高齢運転者が増加したことが原因なのだろうか?

高速道路各社からの発表によれば、2014年に 交通事故や 車両確保に至った 高速道路における逆走発生件数は 198件と発表されている

実は僕も、運転免許を取得して間もなくのころ、一般道を逆走した経験がある

前方から来る車が慌てて ハンドルを切り、僕を 避けていってくれたから 事故にならずに済んだものの、生きた心地がしなかった

この時の逆走した状況は 今でも明確に記憶している

初めて通る、片側 2車線の地方道、直線道路で見通しは良かった
僕は 右車線を走行していたが、少しすると、信号のない交差点にさしかかり、高さ 20cmほどの 中央分離帯が交差点の部分だけ切れていた
交差点より先の道路が、かなり急の左カーブになっていたためか、僕は 中央分離帯の開いているところから 対向車線の右車線に侵入してしまった
道路の 構造もよくなかったが、センターラインを よく見ていなかった僕が悪いのは 明白である


逆走を 何とか食い止めようとする手段は考えられている

例えば ネクスコ東日本では 逆走侵入しそうな路上に 「ウェッジハンプ」 という段差をもうけ、順走なら自然に通過するが、逆走すれば 段差にタイアが当たって衝撃を感じるような装置を考え出した (東北道 福島松川PA(下)1箇所設置)

ちなみに 米国のある州では 侵入路上に、逆走すると 釘様の尖った金属が立ち上がり 4輪とも タイヤを パンクさせる装置を設置しているという
これは 少々過激すぎると思うが、ネクスコの ウェッジハンプでは 乗り越えて行ってしまう ケースだってあるだろう

このような 機械的侵入防止装置ではなく

今の技術であれば、道路側と 自動車側とで 自動交信をすることによって、逆走と分かれば、車が 自動停止するような装置を作ることは難しいことではないはずだ

重要なことは その装置の導入を法的に義務付けることであろう
過去には、1969年に頭部後傾抑止装置等 (ヘッドレスト) の義務化、1985年にシートベルト着用が義務化、1996年にはエアバッグ装備が義務化された
このような 法の改正などによって 交通事故死者数は 減少し、頚部損傷など 負傷者の損傷重症度も 低減されてきた


さて、交差点の事故といえば、どちらかの信号無視が多い

特に 赤信号の見落としは 大事故につながる
そこで考え出されたのが、カーナビに 赤信号の警告を発する機能を付加することや、車載カメラを カラー化することで 赤信号や、先行車の ブレーキランプを 感知する機能である
後者は 交差点事故対策にかなり有効なはずだが、残念ながら、まだ一部の自動車にしか装備されていない
これらの技術こそ もっと積極的に活用すべきであり、全車輌に 装着を義務付けるなどの法整備が必要と考える

各自動車メーカーは、完全自動運転技術の開発を競っているが

もっと容易に実行できることから、できるだけ早急に実施して行くことこそが重要であると僕は思う

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