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No.446 営業部長 吉良奈津子

2016/08/12

今クールの テレビドラマ

産休 + 育休明け、 3年ぶりに 職場に復帰した主人公の物語である
主演は 松嶋菜々子、そして 人気俳優陣が 脇を固める

大雑把な ストーリーは

育児をしながら 他の社員と同じ責任を負い、次々に起きる アクシデントの連続と戦いながら 家庭と 仕事を 両立して生きる 主人公の苦難? を さまざまな視点で 描いてゆく といったところか

いかにも 現代にありそうな シチュエーションであり

さぞ 視聴者の 共感を得るだろう と 思いきや、視聴率は 1桁台と 低迷している

脚本は、井上由美子

「グッドラック」 など 木村拓哉を起用した いくつかの ドラマで ヒットを飛ばし、 「白い巨塔 (唐沢寿明版) 」 、志田未来を世に出した 「14歳の母」 、社会現象 (問題?) となった 「昼顔」 、掘北真希の 「まっしろ」 など、 話題作、 ヒット作を 連発してきた作家である

豪華な 俳優陣、人気脚本家、業界物、現代に ドストライクの テーマ

制作側は 満を持していたはずである
にもかかわらず、低迷する視聴率
これは一体どういうことなのだろうか?

第 1話から視ている 僕の分析はこうだ

  1. ストーリーが 悪く言えば 平凡で 無難、あまりにも 現実的過ぎて、はらはらどきどきがなく、 「次回を 是非視たい」 という気にさせない (非現実的ドラマ性がない)
  2. 制作側が ターゲットにしていると思われる 「育児 + 仕事」 世代の女性は、皮肉なことに 連続テレビドラマを 視ている暇などないだろうし、共感できる部分も 多くない
  3. 昭和の 専業主婦時代ならば ドラマ視聴者の多くが 女性であっただろうが、共働き 家庭が大部分になった 平成の世において、 「兼業主婦」 は 50分ドラマを 見る時間のゆとりなどなく、 「ながら家事」 をするなら 映像を見なくても情報が伝わるラジオのほうが断然有利
    いまや ドラマを見る人達は 介護などの仕事もない ラッキーな現役引退世代に限られるのではないか

  4. 現代は 全体に テレビ離れが加速している

はらはら どきどき、非現実的な ストーリー展開という意味では、藤原竜也の 「そして 誰もいなくなった」 が浮かぶけれど、実は このドラマだって 視聴率は 一桁なのである

もちろん、 「営業部長」 は

まだ 始まったばかりであり、今後の ストーリー展開次第では 大逆転劇もありうるし、視聴者は それをきっと 期待しているだろう

個人的には

松嶋と 松田龍平との 確執が面白く、このさき 2人の関係性が どのように変化してゆくのか 興味津々である


ドラマ不況が 叫ばれながら

それでも テレビ局は、恐らく 莫大な制作費がかかるであろう 「ドラマ」 を作り続ける 不思議

しかし、テレビ局が クールごとに 連ドラを 作り続ける 今の風潮は

これから先、そう長くは 続かないような 予感がする
たとえば、歌手が 最新の歌を披露する歌番組といえば 今は 「ミュージックステーション」 だけになってしまったが、かつて、テレビといえば 歌番組の オンパレードであり、それと連動して レコードや CDが売れた
今は 殆どの歌番組が テレビから消え、CDの売り上げも 減少の一途を辿っている
これは、人が 音楽を聞かなくなったのではなくて、音楽を楽しむ媒体が 変化したのである

視聴者の 視聴パタン、視聴媒体が変化し

テレビ受像機の 販売台数自体が減少する中で、テレビ局では、いかに 視聴者を 惹き付ける 魅力的な番組編成をするべきか、担当者は 日々苦悩しているはずだ

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