ホーム > 川口正展のなるほどザ・メディスン > chap.026 朝の血圧
2016/06/01
高血圧の管理が 行き届くようになったからではないでしょうか
一昔前までは 治療をしても 血圧が 170/100 なんていう人は いくらでもいたものですが、現代は 高血圧の治療を受けている人の大部分は 収縮期血圧が 140以下です
これは 降圧薬の進歩もさることながら、人々が 塩分摂取に対して 敏感になったことも 大きな要因であると感じます
朝の血圧を 記録したものを 受診時に 持って来られます
しかし、記録された 朝の血圧が正常でも、病院到着時に測定した血圧は けっこう高いことは よくあることで、患者さんは 心配されるようです
しばしば受けるのですが、答は 「朝の血圧」 です
血圧 正常者は 夜間に 血圧が低下し、朝は 血圧が低いのが普通です
「ノンディッパー」 といって、夜間から 朝にかけて 血圧が下がらないという特徴があります
そして ノンディッパーこそが 脳卒中、 心筋梗塞などの 動脈硬化性疾患に かかりやすいことが わかっています
これらの 降圧薬は 昼間の血圧は下げても 24時間以上にわたって 降圧作用が 持続するわけではないので、ノンディッパーの人は どうしても 夜間から朝にかけて 血圧は上がります
朝の血圧が コントロールできていない場合は 夜にも 降圧薬を服用していただくと、朝の血圧が 120未満となります
普通に生活している 1日の血圧の動きを知ることが 治療につながるため、血圧の 自己測定が重要なのです