2014/05/07
医学論文は、ざっくり分けて実験を基にしたものと、観察を基にしたものとがある
後者がいわゆる 「臨床論文」 である
「野菜を多く食べる人は、あまり食べない人に比べて癌になる率が低い」
みたいな論文は、山ほどある
結果を導き出すために、さまざまな手法が用いられるが、一般には実験を行っていない 「断面研究」 だ
観察の対象となった人や、その人の野菜の摂り方に関して、世界各地で全く同じ状態を再現することなど不可能だ
いわゆる 「追試」 ができない
言葉は悪いが 「言った者勝ち」 の世界だ
論文を信じた人の誰にも害がおよばないこの種の論文は、野放しでも一向に構わないのかもしれない
むしろ野菜農家は喜ぶだろう
「結論先にありき」 であれば、一晩で論文を捏造することだって可能である
こんな捏造論文でも、論文の構成さえしっかりしていれば、世界の一流医学雑誌の編集者さえもこれを見破れない
「ある(新)薬がどの程度効くのかを検証した論文」 というものがある
一流雑誌に掲載されたが、結論を導き出す肝腎のデーターの改ざんがあったとして、社会問題となった事件は記憶に新しい
臨床論文の何十パーセントかは、ともすれば、こんな風に作られて、雑誌に堂々と掲載されているのかも知れない
こんなことは百も承知のはずで、 「センセーショナルな論文」 を、苦笑いしながら読んでいることだろう