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No.020 【NA/PA】

2011/02/01

Nurse practioner(NP)、Physician attendant(PA)

という職種をご存知だろうか
日本の話ではない
いづれもアメリカ合衆国の医療界の話である

両資格とも、
医師の管理下で、
患者の診察、
検査オーダー、
検査結果の判読、
処方、
疾病管理、
傷の縫合、
心臓カテーテル検査など、
医師とほぼ同じ程度の診療行為を行なうことができる

NPは、ナースがNP養成教育を2年受けた上で、
国家試験に合格すれば得られる国家資格

一方、PAは、
大学卒の人が2から3年のPA養成コースを終了し、
国家試験合格によって取得できる資格である

NPもPAも業務内容は似ているが、
NPは、教育段階で専門科を選択し、
その範囲内でなら、比較的独立して医療行為を行なうことができる
医師とは「連携」という形で、チーム医療の一員として機能する

また、あくまでナース出身であることから、
医療行為以外にcareもおこなう
加えて開業権もある

PAは、ベトナム戦争の衛生兵に、
医学教育をして、
医師のアシスタントとして雇用したのが起源である

総合診療の教育を受け、
医師の監督下に、
医師の助手として医療行為を行なう

PAは医師の「助手」であるから、
外科手術の助手を務めることもできるが、
PAの行う医療行為は医師のチェックを受けるシステムになっている

NPとは異なり、開業権はない

NPやPAの関与した医療事故はほとんどなく、
治療結果も医師とほぼ同等であるという調査結果もあるという

なお、NP、PAは、比較的高額の報酬を得ている

(日本内科学会雑誌、99巻 6号 179-185(森田ら)から引用)

では、わが国では一体どうなっているのだろうか?

実は、厚労省では、これらと似た制度の導入を検討している
米国と類似の制度を導入することによる、
医師不足の打開、
医師の過剰労働の減弱、
患者サービスの改善、医療費の抑制が目的であるらしい

何でも米国式が大好きな日本が、
国情の異なる状況で、
どこまでこの制度を米国式に近づけるものだろうか?

賛否両論が巻き起こるのは必至の状況だ

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