2011/02/01
前回紹介したNP/PA(Nurse practioner、Physician attendant)が、
たった2から3年間の専門教育で、医師と変わらぬ医療行為を行なうことができて、
もしも本当に、
医師と同等の治療結果が出せるのであれば、
わが国の6年もの長い医学部教育と、
医師免許取得後の2年間の臨床研修義務(合計8年)は一体何なのだろうと思う
高等学校の「試験成績の優劣」と、
医師になってからの優劣とが比例するというデータは見たことがないし、
そもそも高等学校の成績が優秀というだけで、
その人が医師という職業に適しているとは限らない
成績が良かったというエリート意識から、患者を、上から目線で見られたのではたまらない
それよりも、
医師という職業が本当に自分の一生の仕事として適しているかを考えてその上で医師を志す人には、
もっと門戸を広げるべきではないかと思う
高等学校の学業成績によって医学部受験の適否を決める今の風潮はどう考えてもおかしい
加えて現行の8年間の医学教育は、
あまりにも長すぎる
8年間もの長きにわたる医学教育を受けた直後の医師に
一人で医療行為を遂行する能力が備わっていないのはなぜなんだろう?
「効率化」「黒字化」が強く求められている時代だが、現行の医学教育の非効率を、いかに考えたらいいものか?
あえて、反論されるのを覚悟で極論すれば、
自分の経験では、
「教養部」の2年間はただ高等学校教育の延長に過ぎず「教養」もつかず、
医者としてのプロフェッショナルな活動を行う上に、全く必要なかった
専門課程である医学部4年間も、
患者診療に関する診療行為の制限が多いために、
実習は見学程度にとどまり、講義だって、
実際患者を診ていないから、所詮、机上の空論で、
面白くないので学生は出席しない
出席するとすれば国家試験対策のための講義くらいだ
さすがに、現今の医学生教育は少し改善されてはいるが、本質は変わらない
NP/PAまがい制度導入の論議の前に、
日本の医学教育の抜本的改革から始めてもらいたいものだ