ホーム > Dr.ブログ > No.039 時の過ぎるはやさ

  • 救急の場合
  • 診療時間
  • 面会時間
  • 人間ドック
  • フロアマップ
  • 川口正展のなるほどザ・メディスン
  • Dr.ブログ

No.039 時の過ぎるはやさ

2011/04/21

「歳を取れば取るほど、1年の過ぎるのが速い」

誰もが感じ、誰もが1度は口にする言葉である
なぜだろう?

次のような理論があるという

たとえば、10歳の子の1年は10年の人生の10%であるが、
50歳の人の1年は50年の人生のたった2%、すなわち、
人生を積み重ねるほど、これま経験した人生に占める割合が少なくなるので、1年を短く感じるとの考えである

この理論はさておき

電車の待ち時間、何もしないで、ただ電車の到着を待っていると、電車がやって来るのが、とても長く感じられるが、メールをしたり、本を読んだりしていると、すぐに時間は経ち、気がつけば電車は来ている

つまり、自分にとって何か関心のあることをしていると、時はすぐ経つように感じる
楽しい時間はすぐ過ぎるというのも、このことだ

同じことを繰り返しの毎日だから、時の経つのが速いのではない

個人にとって、1日は自分中心に回っている

平凡に思える、同じことの繰り返しに思われる毎日は、実は新しいことの発見の連続である
毎日、何か新しい発見や、出会いや、すなわち、昨日とは違う、何かが、いくつも起きている
同じ1日などありえない
だだ、それに気づかない
だから、1年が速く過ぎるということは、人生が充実している証拠であり、
人生が充実しているほど、一生は、あっという間に終るように感じる

秀吉の辞世は

「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢」
だった
これには、様々な解釈があるが、僕は、
「夢のまた夢」
に注目する
すなわち、
「夢のように、あっという間のできごとだった、いや、あれは夢だったのかもしれない」
と解釈する

彼の62年の生涯は、毎日がスリルの連続で、失敗と成功の繰り返し、きっと彼なりに充実した日々であったのであろう

こんなにも速く過ぎ行く日々

では、どうすればよいのか
何気なく過ぎていくように感じる毎日の中での新しい出来事を
「新しい発見ノート」
として記すのはどうだろう

後に役立つであろうことなら、なおさら記録する必要がある

たとえば僕の場合は

  • その日読んだ医学雑誌の症例報告に登場した自分の知らなかった病名
  • 十分に知らない用語を検索して、知った意味
  • 周囲の人に意外に受けた自分のジョークの内容
  • 新しく出会った人の名前や、その人の特徴、第一印象
  • 自分の診断がはずれていて、反省した内容
  • 患者さんからいただいた感謝の内容や、クレームの内容
  • 講演会に出席して覚えた内容、もしくはつまらなかった理由

とにかく、いくらでもある

せっかく毎日いろいろな経験をしているのに

それを記録に残しておかなければ、やがて忘れてしまい、
結局振り返ると
「同じような毎日の繰り返しの1年だったなあ」
だけになってしまう

 |