竹内まりやは
寡作のシンガーソングライター(自称 シンガーソング専業主婦)で、息の長い、自然体の、いつまでも色褪せないアーチストである
作詞、作曲を自ら手がけるが、山下達郎のアレンジもいい感じに仕上がっている
コンサート、ツアーはめったにせず、テレビにも出演せず、忘れたころにオリジナルアルバムを出すが、これらは、いつもトップセールスを記録することから、竹内のファン層の厚さがわかる
アイドル路線でデビューしたが、まもなく、作詞、作曲を手がけるようになる
これまで、多くの歌手に、楽曲の提供もしてきた
詩のテーマは恋愛、失恋、不倫などに加えて、友達、仲間、人生など、幅広い
歌詞は、どれもわかりやすく、ストーリー性を持ったものが大部分である
今回は、そんな竹内のアーカイブの中から、
僕の気に入っているフレーズを、ピックアップしてみよう
- 「穏やかな毎日が 続くぜいたく」
- (2001 すてきなホリディ)
- 「でも気づいているの 目覚めた朝 息をしているだけで 幸せなこと」
- 「誰もがみんなちょっとずつ 年をとってゆくから
何でもない一日が 実はすごく大切さ」
- (2001 毎日がスペシャル)
- 「チャンスは何度でも 訪れてくれるはず」
- 「あなたの小さなmistake いつか想い出に変わる」
- (1984 元気を出して)
- 「偶然と呼ばれる出来事は 何もなくて 出会いも別れも 最初に決まっている」
- (1999 天使のため息)
- 「遠くに浮かび出すホテルの窓灯り 走る車の ひとつひとつにさえ
悲しみを抱えた誰かがいることを思えば 私の孤独は少し贅沢」
- (1986 夜景)
- 「誰かのひとことで 明日もがんばると 思えるなんてすてきさ」
- 「生まれる時ひとり 最期もまたひとり だから生きているあいだだけは
小さなぬくもりや ふとした優しさを 求めずにはいられない」
- (2006 みんなひとり)
- 「自由と孤独はふたつでセット 気ままなほど 寂しさもついてくる」
- 「隣の芝生が青く見えたら この庭に花を植えればいい」
- 「足りないもの数えるくらいなら 足りているもの数えてごらんよ!」
- (2008 幸せのものさし)
- 「ダイヤも毛皮も欲しくないから 笑顔見せて」
- (2001 A cup of tea)
- 「信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ」
- 「満開の桜や 色づく山の紅葉を この先いったい何度 見ることになるだろう」
- 「ひとつひとつ 人生の扉を開けては 感じるその重さ」
- 「君のデニムの青が 褪せてゆくほど 味わい増すように
長い旅路の果てに 輝く何かが 誰にでもある」
- (2007 人生の扉)
竹内の楽曲は、メロディーラインの美しさも、さることながら、何でもない歌詞の中に、突然、するりと、さりげなく、人生に関する名言が登場するところが見事である
「人生の扉」
は、
人が歳を重ねることを、ポジティブなスタンスで表現していて、
「人生の応援歌21世紀バージョン」
と言ってもいいだろう
余談だが、ジャケットのデザインは、書家でもあった、故・緒形拳の筆による、とても味わいの深いものだ
<< 前ページ | 次ページ >>