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No.047 藻から石油??

2011/06/02

オーランチオキトリウム

聞いたことのある方もあると思うが、僕は知らなかった
TBSの番組、「夢の扉」で、つい先日知った

番組を見た人も、きっと多数いることだろうが、見ていない人もいるから、うけ売りだが、内容を紹介する

これは、石油を作り出す藻類のうちの1つである

これまで、石油を作る藻類は「ボトリオコッカス」など、いくつか知られていて、米国でも、研究開発が進んでいる

オーランチオキトリウムも石油を産生する藻類で、150種のオーランチオキトリウムの中でも、沖縄の海で採取された株が、今回、極めて高い石油生産能力があることを、筑波大の渡邉信教授らのグループが発見した

現在、実用化に向けて研究開発中で、番組では、試作品の石油でトラクターが動いた実験を放映していた

ネットで調べると

2010年12月14日に茨城県で開催された国際会議で発表されていた
また、これに対して、いち早くスレッドが立ち、何とこれまでに2000件以上のレスがあることも知った

国民の関心は高いのだ

番組によると

現在、世界の原油消費量が年間、約50億トン、日本はそのうち20億トンを消費していると言う

2万ヘクタールの土地にオーランチオキトリウムを培養(栽培?)
すれば、わが国に必要な1年分の石油をまかなえるとの試算だ

耕作休遊地や湖沼は2万ヘクタールよりはるかに多いため、さらに多くの石油が生産でき、日本は産油国となるといった、
まさに夢のような話だった

藻を培養する「田」はまさに油田という名にふさわしい

こうなれば、原油の輸入は全く必要がなくなるではないか

車に入れるガソリンの価格は中東情勢に左右されることもなくなり、
しかも1リットル50円前後の安価になるという

石油=化石燃料=使い続ければ、いつかはなくなる という図式しか頭になかった僕にとっては、
まさに衝撃的な事実であった

植物(藻類)が炭化水素を生合成すること自体、俄かには信じ難いことだが

考えてみれば僕も、農学部時代は、植物(酵母)がクレゾールを分解する実験をしていたわけで、
植物の世界は何でもありなのだ

人類が地球上で生活できるのも、植物が光合成により酸素を作り出し、二酸化炭素を吸収してくれるからなのだし・・・
かつて、僕の恩師が
「微生物に期待して裏切られることは一つもない」
と常に言っていたことを思い出した

今回の震災で

「原子力発電所絶対安全神話」
がもろくも崩壊し
、短絡的と思えなくもない
「脱原発論」
や、
それにかわる近未来のエネルギー源として、太陽光発電、地熱発電、波動発電、風力発電など、
自然エネルギーを電気に変換する方法が真剣に検討されている中、
石油を創り出すという、全く別の観点から突破口が見つかっていたのだ

もし、国をあげてのプロジェクトを組めば

エネルギー確保という面では、
案外、こちらの方が早く実現するかも知れないし、
こうなれば、日本に莫大な利益をもたらすことは間違いない

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