2011/06/13
かつての推計どおり、今や国民の二人に一人が65歳以上だ
「老化遺伝子」を操作する薬剤の開発が進み、実用化されたことで、
ヒトの老化は遅くなり、60代、70代の人も現役として就労できるようになった
これにより、少子化社会にもかかわらず、就労人口は減るどころか、むしろ30年前よりも増加した
見かけ50代なので、見た目で年齢がわからなくなった
なお、定年退職は、80歳前後の会社が多いようだ
現在では90歳以上をさすとされ、
70代の就労者は、子育て、家の購入などの多額の出費がないため、
収入の多くを「老後」の貯金や、自分達の趣味に当てることができ、
年金をあまり必要としないのが現状だ
年金の支給年齢を上げる法案が通過したと、朝のテレビニュースが報じていた
来年度からは、年金の支給開始年齢は80歳とのことである
70から80代の人は、健康な人が多くなり、医療機関への通院や、入院が少なくなった
これに伴い、病院や診療所の総数も激減し、医師数も減少している
110歳前後で死亡する人が多いが、
動脈硬化性疾患が少なくなったため、
長患いをして死亡するというケースは少なく、介護を要する人は、さほど多くはない
国家予算のうち、医療、福祉に占める割合は随分小さくなっている
かつて憂慮されていた少子高齢化社会が、こんな形でうまく機能するとは思いもよらなかった
やはり、医学の進歩こそが、国政運営には不可欠なのだと思い知る毎日である
癌細胞を正常細胞に分化誘導する薬剤が治療に導入されたこと
これにより、癌死する人は激減した
40年以上前に、日本人医学者によって樹立されたiPS細胞は、
その研究が長足の進歩を遂げ、ついに臨床応用できる時代となっている
神経細胞、網膜、骨細胞が自分の細胞から人工的に、安全に作られるようになり、
脊髄損傷、網膜変性症、パーキンソン病などが完治する時代となったことは、大変喜ばしい限りだ
再生医療で大きな課題であった、ドナー確保と、移植後の拒絶反応が、一挙に解決したことになる
自身の細胞を分化させて造った膵島を、点滴移植することで、糖尿病は完治する病気になって久しい
腎蔵、肝臓、心臓、眼球などの臓器も、
iPS細胞を用いてブタの体内で作成することができるようになり、
これらの臓器の移植は、発癌の可能性も、限りなく 0 に近いということで、20年ほど前に実用化された
なお、移植に用いるこれらの細胞や臓器作成は「COC社」を代表とするベンチャー企業各社が受け持っている
大学医学部は医学生の教育機関、大学院は医学研究機関という位置づけで、
大学では診療行為は行われていない
7年間の契約制で、任務は学生講義と研究、研究指導である
7年間の実績の質的評価は第三者機関によって行われるため、契約の更改ができないケースもある
また、大学教員を含めた研究者は、
キャリアアップのため、自ら他の大学や研究機関に移籍したり、
また、優秀な研究者については、大学や企業からの引き抜き合戦が起き、
極めて良い待遇で招聘されるらしい
つづく (かも)