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No.053 運動嫌い

2011/07/01

患者さんに運動療法を勧める立場としては

誠に言いにくいのだが、実は、僕は、スポーツには全く興味がない
実践はもちろんのこと、観戦にも全く興味がない

プロ野球や、今や、サッカーが国民的人気だが、何がそんなに面白いのかさっぱりわからない
TVでも、スポーツの話題になると、1秒でも観たくないから、即座にチャンネルを替えるほどの徹底したスポーツ嫌いだ

自分の贔屓(ひいき)の野球チームが勝利しようが

サッカーの日本代表が勝利しようが、
オリンピックで日本が金メダルを取ろうが、
安藤美姫が金メダルを取ろうが、
僕はその人達の家族でもないし、僕にとっては何のメリットもない

第一、オリンピックで金メダルを沢山獲得したからといって、
政治的に優位な立場に立てることなど、オリンピックの理念からしてもありえない
ただし、これら 「見せるスポーツ」 の経済効果は大きい
だから、間接的な意味では、実感はないが、僕も、利益を得ているわけなのだろう

チームを無心に応援し、その勝敗により、一喜一憂できる人は羨ましい

昔勤めた病院のI先生は、中日ドラゴンズが負けた翌日は、実に機嫌が悪く、近づける雰囲気ではなかった

ファンとはそういったものだろうし、
ファンがいて、プロスポーツの莫大な経済効果が生まれているのだろうから、僕がとやかく言うことではない

僕のスポーツ嫌い(スポーツ音痴)が開花したのは小学校時代だ

小学校の体育の授業で、ソフトボールがあり、僕の振ったバットが奇跡的に球に当たった
この時、何と、僕は3塁に向かって走り出したという
このことに関しては、自分は全く記憶にないが、
当時の同級生達と会うと、必ずその話が出て、
これがまた大いに受けるので、多分本当の出来事だったのだろう

小中学校時代、体育の授業が大嫌いだったので、その日が雨天だと、幸せ感に浸っていた

僕は、ゴルフもしないし、テニスもしない

水泳もしないし、登山もしない
だいたい、陽光に当たると疲れる
だから、雨の日はほっとする
外出するのは、もっぱら曇りの日である

僕は、小学校で体操部

高等学校で柔道部→水泳部、大学では少林寺拳法部有段者、
また16歳にはアルペンスキーを始め、今日に至っている

何だ、この大矛盾は!

「今まで書いたこととは違うじゃないか!」 と怒ってもいいです

水泳部ではプールが水深2.2mであることを知らず、まず溺れた

水面に顔が出ても、息を吸おうとするばかりで呼吸が出来ない
この時に覚えたこと 「息は、はかなければ吸えない」(だから「呼吸」) 当たり前だ

運動音痴でも、練習というものは有難いもので、
やがて、対外試合にも出場したり、クラス対抗水泳大会では、
水泳部だから当然のことだが、いつも1、2位だった
(だいたい水泳部が、クラス対抗試合に出ていいのか、甚だ疑問ではある)

スキーは、父が

「俺が教えてやるから」 というので始めたが、
父は一向に教えようとはせず、結局、友人のアドバイスや、独学で覚えた
父は 「学生時代、自分は山岳スキーの名手だった」 と、いつも豪語していたが、あれはきっと嘘だ

その後、暫く、スキーから遠ざかっていたが

ミーハーだった僕は、織田裕二主演の 「私をスキーに連れてって」 という映画を観てからというもの、
毎シーズン、スキー場に出かけては、体育会系のスキーをした

グループで行くのもそれなりに楽しいが、滑降時間は減る
仲間がいると、体育会系スキーは無理で、皆、すぐに茶店に入りたがる

だから、次第に、一人で、車で出かけるようになった

時は、スタッドレスタイヤが普及したころだ
路肩もわからぬような雪道でスリップして、車で崖に落ちそうになったこともある
滑降中に派手に転んで膝関節内血腫を作り、半年間、身障者用トイレを使ったこともある
猛吹雪で、全く進路が見えず、コースアウトし、遭難しかけたこともある
こぶ滑りに飽きて、新雪や、危険な直滑降でのスピード感を楽しんだ

スキーは、僕の、のめり込んだ唯一のスポーツかも知れない

さて、やはりミーハーの僕は

ブルースリーにあこがれて、大学時代、少林寺拳法部に所属した
しかし、練習は嫌いで、いつも少し遅刻して行った
先輩達はそれでも、それなりに優しく、色々な複雑な技を伝授してくれた
そして、少林寺拳法の極意、
「僅かの力(てこの原理)で相手を倒す」 ことの面白さを知った

こんな僕でも、患者さんには

「運動は大切です」 「一日1万歩は歩きましょう」 などと、
自分には到底できない、白々しいことを、今日も言っている

ごめんなさい

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