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No.060 辞世

2011/08/02

名だたる武将は辞世の句を残している

これは、死の直前に書かれたものではなく、
あらかじめ準備しておいたものが大部分であるという

辞世は、武将が自分の生き様を、簡潔に歌としてまとめたものだ
だから、元気な時、内容を練って完成させている場合が多い

たとえば、秀吉の辞世

「露と落ち 露と消え行く我が身かな 難波のことも夢のまた夢」は、死の随分前に準備されていたらしい

上杉謙信

「極楽も 地獄もさきは有明の 月の心にかかる雲なし」 や、
「四十九年 一睡夢 一期栄華 一盃酒」

伊達政宗

「曇りなき 心の月を先立てて 浮世の闇を照らしてぞ行く」

憤死した織田信孝は凄い

「昔より 主を内海(討つ身)の浦(野間)なれば 報いを待てや羽柴筑前」

家康はというと

「嬉やと、再び醒めて一眠り 浮世の夢は暁の空」

戦国を生き抜き、最後の覇者となった者の辞世としては、あまりにも穏やかだ

現代人は辞世を残すという習慣はない

しかし、自らの生き様を、詩として残すということは、実は結構面白いように思う
詩を作りながら、自分の歩んだ道を、第三者のように、振り返ってみるのもいいものだ

僕は、和歌など嗜んだこともないので、とりあえず即興で

「 自由に気まま 気の向くまま かぜまかせ
   楽しかった
  やりたいことは すべてやった
   そろそろ おさらば 」

というのを作ってみた
毎年、改訂版でも作ろうか

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