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No.072 リニア新幹線

2011/09/20

新聞報道によると

リニア中央新幹線(品川―新大阪間)全線開通予定は2045年、すなわち今から34年後のことと言う
僕がもし、長生きしていれば95歳になっている

リニア新幹線計画は

今回の震災よりずっと前にスタートしていて、繰りかえし、山梨で実験を行っている様子は、しばしば報道された
新聞によると、東京―大阪間の所要時間が67分とのことだから在来新幹線 「のぞみ」 より最大で1時間短縮となるわけだ
「時は金なり」 だから、そしてどんどん加速するであろう 「時の貴重性」 を考えると、この時間短縮は大きいのかも知れない
まさに、近未来の夢の乗り物だ

また、総工費8兆4400億円という大事業を遂行することによる、雇用の促進、建築資材の調達による周辺産業の活性化、はたまた、新駅周辺の活性化など、大きな経済効果を生み出すことは間違いない

しかし、おせっかいな僕には不安がつきまとう

  1. 今後の人口減少によって需要が限られ、在来新幹線と収益の奪い合いになるだけではないのか?
  2. 格安航空会社(LCC)の時代、列車移動での1時間短縮が巨額の投資に見合うものなのか? 原点に立ち戻って、「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」である
  3. この新しい乗り物の安全性は本当に担保されているのか?
    電磁波が人体に与える影響について、医学的にはあまり解明されていない現状で、リニアが人の健康に影響しないと言い切れるものなのか?
  4. リニア新幹線の建設費用はJR東海が負担するとのことであるが、この会社は、現在は年間1000億超えの利益を上げているとは言え、今後の財務状況はわからないし、その体力で、この規模の事業を成し遂げることが本当に可能なのか?

僕は、きっとリニア新幹線を利用できることはないだろうから、ひがみと老婆心から、こんなことも思ってしまう
リニア新幹線建設に真摯に携わっている各界の方々には申し訳ないと思いつつ

なお、2008年に橋山禮次郎教授が

リニア新幹線建設に次のような疑問を投げかけていることを参考までに付け加える

  1. 在来新幹線の輸送力が限界に達しているわけではないのに、なぜリニアか
  2. 膨大な資金投入でJR東海が経営破綻に陥る可能性がありはしないか
  3. 大深度地下での事故の際の救出が極めて難しいのではないか

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