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No.073 ディジタル時代の僕の読書法

2011/09/26

毎月、医学雑誌、学会誌、専門誌などが多数送られてくる

そんなの、全部読めるわけがないし、「後で」 と思って積んで置けば絶対に読まないことはわかっている

そこで僕は工夫をする

毎号が到着した日に、以下の作業に取りかかる
まず、症例報告の部分を切り取り、ホッチキスでとめる
そして重要な部分にマーカーを入れたり、書き込みをする

症例報告は僕にとって重要だ
比較的珍しい症例ばかりだから、それを読み、内容を自分のものにすれば、その症例を自分の経験に加えてしまうことができるから

症例以外で、自分にとって重要な部分も同様の処理をする
自分にとって 「不要」 と感じた部分は全部捨てる
どんどん捨ててゆく
これは、一種の快感だ
結果、雑誌は、1/10くらいのボリュームとなり、消える

実は、この手法は、新聞、一般雑誌、単行本にも活用している

単行本は、一度読み、重要な部分にマーカーを入れ、マーカーの入ったページのみを切り取る
ばりばりと単行本を分解する時には、一種の快感を覚える

このようにして作った 「切り取り集」 は、翌日もう一度、マーカーの入った部分だけ目を通す
エビングハウスの忘却曲線(※)によれば、1日後には74%を忘却するので、翌日、記憶のブースターをかけるのである

そのあと、「切り取り集」 は

一扁ずつ、クリアファイルにしまって、いつでも読み返すことができるようにしておく

こんな読書法をするので、自宅に本はあまり並ばない

かわりにクリアファイルが蓄積し、今では項目別に300冊以上が並んでいる
項目別だから、読み返したい物は、即時に引き出せる

だから僕には常にクリアファイルが必要で、文具店に立ち寄れば、必ず10から20冊まとめ買いをすることにしている

このディジタル時代だが

クリアファイルは僕にとって、実に便利なアナログの文具である

※ エビングハウスの忘却曲線は、無意味な音節の記憶実験であるから、読書内容などの意味のある内容には、必ずしもあてはまるわけではないかも知れない

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