2011/12/16
これが酒類の 「適量」 というデータがある
でも、こんな量で済ますことができないことは、呑兵衛なら誰でも知っている
しかし、たとえ1日20g、週に5日飲むとして、年間だと5.2kgにもなる
では、飲酒による健康被害とは、一体何だと思います?
それは、大量飲酒を、しかも、長期間続けた場合の話
こんな、常習的大量飲酒ではなくても、比較的少量の飲酒によって、深刻な健康被害が起きる
中でも、最近増加している、食道がん
エタノール換算20g以上の飲酒を毎日続けると、食道がんはじめ、直腸がんなども増えるらしい
僕は知っていたし、消化器系医師の常識でもある
しかし、僕は消化器専攻ではないので、飲酒によって、数ある臓器の中で、食道だけが癌に襲われる理由を、恥ずかしながら知らなかった
しかし、先日のこと、 「ためして○○」 という、某TV局のショー番組で、この謎が解けた
アルコールが肝で分解されて出来る 「アセトアルデヒド」 には強力な発癌作用がある
人体には、色々な臓器にアセトアルデヒドを分解する酵素が存在していて、有害なアセトアルデヒドを分解除去している
しかし、何としたことか、食道だけには、アセトアルデヒド分解酵素がないか少ない
だから、食道だけが狙われる
なるほど、合点!
しかし、通常の胃カメラ健診では早期の食道がんを発見しにくいことを、ご存知だろうか?
食道の早期がんを発見するには、食道をルゴールで着色するか、ナローバンドという特殊な光線を当てる(NBI)と、癌の部分は、健常部と色が違って見える
「焼酎は、他の酒類よりも体に良い」 などという俗説がまかり通っているようであるが、酒類のいかんにかかわらず、摂取したエタノール量こそが重要であることを認識すべきであろう
年に一度は胃カメラを受けるべきで、その際、 「食道を診てもらいたい」 と告げると良いと思う
(飯綱病院ではNBI、ルゴールとも実施可能です)