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No.098 酒の功罪 その1

2011/12/16

純エタノールにして20g

これが酒類の 「適量」 というデータがある

すなわち

  • ビールなら500cc程度
  • 15度の日本酒なら一合足らず
  • 20度の焼酎では100cc、すなわちコップに半分
  • 12度のワインの場合はグラス一杯程度
  • 43度のウイスキーや泡盛であれば50cc程度、すなわち、いわゆるダブルか

この量の飲酒なら、飲酒による健康被害が出ないということらしい

でも、こんな量で済ますことができないことは、呑兵衛なら誰でも知っている
しかし、たとえ1日20g、週に5日飲むとして、年間だと5.2kgにもなる
では、飲酒による健康被害とは、一体何だと思います?

  • アルコール依存症?
  • 肝硬変?

それは、大量飲酒を、しかも、長期間続けた場合の話
こんな、常習的大量飲酒ではなくても、比較的少量の飲酒によって、深刻な健康被害が起きる

それは、がん

中でも、最近増加している、食道がん
エタノール換算20g以上の飲酒を毎日続けると、食道がんはじめ、直腸がんなども増えるらしい

飲酒で食道癌が増えることは

僕は知っていたし、消化器系医師の常識でもある
しかし、僕は消化器専攻ではないので、飲酒によって、数ある臓器の中で、食道だけが癌に襲われる理由を、恥ずかしながら知らなかった
しかし、先日のこと、 「ためして○○」 という、某TV局のショー番組で、この謎が解けた

同番組を見なかった方のために、内容を要約して紹介する

アルコールが肝で分解されて出来る 「アセトアルデヒド」 には強力な発癌作用がある
人体には、色々な臓器にアセトアルデヒドを分解する酵素が存在していて、有害なアセトアルデヒドを分解除去している
しかし、何としたことか、食道だけには、アセトアルデヒド分解酵素がないか少ない
だから、食道だけが狙われる

なるほど、合点!

さて、食道がんは、早期発見がきわめて重要である

しかし、通常の胃カメラ健診では早期の食道がんを発見しにくいことを、ご存知だろうか?

ではどうするか

食道の早期がんを発見するには、食道をルゴールで着色するか、ナローバンドという特殊な光線を当てる(NBI)と、癌の部分は、健常部と色が違って見える

時は今、忘年会、新年会の季節

「焼酎は、他の酒類よりも体に良い」 などという俗説がまかり通っているようであるが、酒類のいかんにかかわらず、摂取したエタノール量こそが重要であることを認識すべきであろう

飲酒の機会が多い人は

年に一度は胃カメラを受けるべきで、その際、 「食道を診てもらいたい」 と告げると良いと思う

(飯綱病院ではNBI、ルゴールとも実施可能です)

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