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No.101 相性

2011/12/28

三浦友和は

山口百恵との共演をきっかけにアイドル的俳優として出発した
青春スターで終るのかと思っていたのだが、彼は、歳を重ねるに従い、悪役も含めてさまざまな役柄を演じ、渋い演技が光る、名脇役となっていった
最近はその存在感から、主役を演じることも多くなり、映画、ドラマ、CM、声優(=「借り暮らしのアリエッティー」)を合わせて、出演作品はゆうに200を超える

彼は、田宮次郎、高倉健と共に、僕の好きな役者の1人である
最新作、レイルウエーズは、是非とも観たい映画だ

さて、その彼が最近

「相性」 という題名の著書を出版した
僕はまだ読んではいないので、その内容については全く知らない
しかし、理屈で説明できない 「相性」 というものは、確かに存在する

芸能界の話題はさておき

医者と患者の相性について考えてみる
医者は神様ではないから、本音を言えば、苦手な患者さんがいる

反対に、なぜか気の合う患者さんもいる
そんな患者さんとは、診療中にもかかわらず、趣味の話をし合ったり、時には軽口をたたき合ったりすることもある

もちろん、プロである医者は、患者の好き嫌いで診療内容に差をつけることなどない

患者だって同様に

苦手な医者と、好きな医者がいるはずである
結局、医療における、医者と患者さんとの関係は、一般の、人と人の関係と同じことなのである

開業医なら、患者が医者を選ぶことができるが

病院ではどんな医者に当たるかわからないから困る
患者Aさんにとって苦手なB医師は、別の患者さんにとっては好きな医者ということがある
C医師が苦手とする患者さんでも、D医師にとっては全く苦手ではないこともある
要は、医者と患者の相性というものが存在するのであろう

医者と患者の相性が悪いのは

感情的なものと言うより、両者の考え方、意思疎通の不正確さが原因のことが多い
たとえば、患者Aさんが検査を希望するタイプの人であったとする
しかし、 Aさんの担当 B医師はそれほど検査が必要ではないと考えて診療をしているとする
Aさんは不満だし、 B医師は Aさんが 「何で検査ばかり希望するのか」 わからない
これは、相性が合っていない証拠である

「肝機能が少々悪い」 と聞かされて、医師に理由を聞いても、 「よくわからない」 との返答に不安になり、担当医を変わりたいと思う人もいるだろう
その時、担当医は 「原因は不明だが、この程度の肝機能異常なら特に検査の必要もなく経過観察で良い」 と判断しているのかも知れないが、伝わらず、患者さんは不安になる
これも相性が合っていない

解決は簡単で

「この医師とは相性が合わない」 と思えば、担当医を変えればいいだけのことだ

ただ、患者さんの悩みとしてしばしば耳にするのは

「先生を変わりたいのですが、そのことを今の先生に伝えづらくて」 というものだ
しかし、病院の医師は、患者が 「担当医を変わりたい」 と申し出ても、悪い感情は抱かないのが常だし、そもそも 「変わりたい」 とわざわざ表明する必要すらない

それでも、もし困ったら

そして、どの医師に変われば良いのかわからなければ、看護師などに相談したら良い
きっと、うまく対処してくれるはずだ
「仕事の関係上、担当医の曜日に通院できなくなった」 などの方便も有効だ

高血圧、糖尿病、心臓病など

慢性疾患を診る医師の受け持ち外来患者さんの数は、新規患者さんがいる以上、必ず増え続けるはずである
しかし、現実は一定の数までは増えても、結局は、あるところで落ち着くからやっていられるわけで、すなわち、知らないうちに去って行く患者さんがいるということになる

やっぱり、患者さんはわかっている

僕が老婆心で心配することではないのだろう

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