2012/01/06
年末年始の日・当直を希望したからだ
思い起こせば、元勤務していた病院でも、毎年、年末年始は病院で寝泊りしていた
僕は変わり者だから、日・当直勤務が好きなのである
多種多様の傷病をかかえた人達が、雪降りしきる中、苦労して病院に辿りつく
少しでもこれらの患者さんの力になりたい
不安を取り除きたい
当直帯よりも、日直帯に患者が殺到する
定番の熱発、咳、咽頭痛、下痢・嘔吐に始まり、めまいに伴う嘔吐、腹痛、包丁を落として足に刺った、熱傷、高齢者の肺炎や呼吸困難、うっ血性心不全の増悪、小児の熱発など、救急診療室の前はこれらの救急患者さんと、その付添いの人達で溢れかえる
なぜか、インフルエンザは一人もなかったが、そのかわり、マイコプラズマ感染症には多く遭遇した
また、外来患者さんの間を縫うようにして救急車は容赦なくやって来る
こちらは少し重症で、自動車での交通事故、スキーでの転倒事故、吐血、転倒による骨折、意識障害などである
この忙しさは仕方のないことなのだろう
「砦」 といえば余談ではあるが、飯綱病院は中世の領主、島津権六郎の砦、平山城の矢筒城館跡に建っている
たとえ僕がスピーディーに診断し、処置しようとしても、ナースはそうはいかない
多くの患者さん達を、待たせることなく、手際よく処理していくのは、当院が誇る、優秀なナース達だ
などなどなど、僕なんかより、ナースはよほど忙しいのに、こともなげに、たった一人でスムースにこなして行く
そこへ、電話による問い合わせが
「寒くて仕方がないんですが、どうしたら良いのでしょうか?」
電話の主は相当困っている様子だったが、病気ではなかったのでほっとする
寒いのはわかるが、病院に相談されても、一体どうアドバイスしたものか、当看護師は困ったという
雪の中、一日に何度も駆けつけてくれる放射線技師や臨床検査技師の人達
休日出勤の事務職員
そしてナース
これらの人々の活躍があって、僕の診療が成り立っているわけだ
1枚だけ
しかし、それは、日本郵政からの年賀状だった
昨年は確か住所変更連絡をしたはずなのに
昔住んでいた愛知県の人たちから、どうやら僕は、すでに忘れられた存在になったようだ