2012/01/12
「マニュフェスト」= 「実行出来なくても構わないが、一般受けする内容を、とりあえず書いてみた冊子」
「何を、いつまでに、どれくらいやるかを明示すること」 とされている
しかるに、政策には金がついて回る
金が要るけど金はない
日々刻々と変化し、予想できない展開になる場合だって多々ある
例えばリーマンショック
リーマン・ブラザーズは、経営破たん直前まで、格付けは AAAであった
米国4位の投資銀行・証券会社である名門、リーマンの経営破綻を誰が予想できたであろうか
経済世界ではいつ何が起きるか予想できないことが多すぎる
それは、各国の経済事情の想定外の展開 (例えばリーマンショック、欧州の経済危機)、天災 (今回の地震・津波・原電事故など)、また、どこかで突発する戦争など、過去をいくら学んでも、明日の経済状況を推し量ることが出来ない時代になっているからである
一瞬先の予測すらできない
大体において経済予想が的中するなら、株式投資や為替売買システム自体が成り立たない
不確定要素ばかりであるから (変数が多すぎるから)、金融市場が成り立ち、収益を得る人も、損をする人もいるのである
競馬でも番狂わせがあるから大儲けする人がいたり、損をする人がいるのと少し似ている
「いつまでに、どれくらい」 などの約束ができるわけない
マニュフェスト を作った時点では予想できたのかも知れない近未来の状況だって、すぐに変化する
現に大震災が起きたではないか
月単位、いや日々社会情勢や経済情勢は変わっていく
マニュフェスト どおりの展開には絶対成り得ないことなど、誰にもわかるし、恐らく マニュフェスト を作った現与党だって、そのことをわかっていないはずはない
それを、今になって 「マニュフェスト通りに進めていない」 などと、マニュフェスト を作成した党内で反旗を翻して何になる
野党が言うのならまだしも、与党内でのこの議論は呆れてしまうほど無意味だ
マニュフェスト に縛られれば、目まぐるしく変わる経済状況にフィットした迅速な対応が遅れることは、以前から指摘されている
従来どおりの 「選挙公約」 程度に留めておけば、こんな混乱はなかった
「議席獲得のために、財政の裏づけが希薄な理想的政策を、野党感覚でぶち上げてみた」 に過ぎなかった 「マニュフェスト」
結果、初めて政権政党となってしまい、自分達の作った マニュフェスト に首を絞められることとなってしまった皮肉な現実
理想は理想、現実は現実なのである
「政治主導」 を叫びながら、結局は行政のプロ集団である官僚の助けを借りねば何もできないことを悟り、遂には歩み寄り発言も飛び出した
「マニュフェスト」 を作った張本人である与党議員の一部であって、国民は、 マニュフェスト の殆どが実行されないことに、それほど怒ってはいないはずだ
・・・というか、国民は賢いから、もともと マニュフェスト の内容にはそれほど期待をしていなかった
「政治家の マニュフェスト なるものは、決して信用したり、期待してはならないもの」
という感覚が、日本国民に芽生えたこと