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No.119 白筋

2012/02/16

白筋を鍛えるには 無酸素運動 が適している

無酸素運動はいわゆる筋肉トレーニング、ウエイトトレーニング (筋トレ) にほぼ等しい
無酸素運動は、短時間に、筋肉に強い負荷をかける運動である
前回に示したように、白筋の筋線維は太く、強い力を出すことができる
そして、白筋は、赤筋と異なり、ウエイトトレーニングでどんどん発達する

筋トレで白筋が増える理由はこうだ

激しい筋肉トレーニングをすると筋線維が部分的に断裂する
筋線維は 2日間程の間に、断裂した筋繊維を修復するだけでなく、次は断裂することがないように、より張力に強い筋線維を増やす
過負荷から 48時間ほど経った時点で、再び過負荷をかけることで、白筋は量、筋力とも増加を続けるという

さて、同じ 「徒競争」 でも

マラソン選手は持久力を要し、主として赤筋を使うので痩身であるのに対し、短距離走の選手は瞬発的に大きな力を発揮する白筋を使うのでマッチョ

同じ格闘技でも

ボクサーは、最大 12ラウンドも闘わなければならならず、持久力を必要とするため、赤筋を使い、その結果、痩身 (階級によって異なるが) であるのに対し、相撲力士は、瞬時あるいは数分間、最大の力を出し合って勝敗が決し、白筋を鍛えるのでマッチョである

無酸素運動のエネルギー源は

血中のブドウ糖や筋肉中のグリコーゲンであり、有酸素運動とは異なり、内蔵脂肪をエネルギー源としないため、原則として脂肪は減らない

ただし、長時間の無酸素運動では

エネルギー源としてのブドウ糖を確保するため、肝臓は、体脂肪の分解で出来る遊離脂肪酸を主原料としてブドウ糖を合成する (これを糖新生という) ことになるため、結果、体脂肪は減少する

白筋量は高齢になると減少する

高齢者が痩せて見えるのは白筋量の減少による
高齢者の動きがスローなのは、白筋 (速筋) の量が減っているからである

しかし、加齢自体が白筋を減らすというよりも

加齢によって力仕事をする機会が少なくなるからという側面もある
事実、高齢者のボディービルダーはマッチョである
トレーニングによる白筋に対する効果は年齢を問わない

最近は草食系男子が増殖しているという

しかし、男は狩猟本能などから、本能的に、ナルシスティックに筋肉質に憧れるもので、ジム通いして、外見からわかる筋肉量を増やそうとする人は減らない

有酸素運動が

ある程度の時間をかけなければ効果が出にくいのに対して、無酸素運動は 1日 5分でも効果が出るという
筋トレは、忙しい人に最適な運動かもしれない

糖尿病の運動療法として

かつては有酸素運動が推奨され、無酸素運動 (筋トレ) は好ましくないとされていた
その理由として、筋トレは、基礎代謝の大きい赤筋を増やすわけではないし、血圧上昇を伴うことが多く、さらに体脂肪も消費されないなどの理由であった

今は違う

無酸素運動も糖尿病の運動療法として非常に有効であることが示されている
これは、無酸素運動では、前述のごとく、筋肉量が増え易いことによる
例え白筋であろうと、筋肉量が増えれば基礎代謝は増加する
1kg の筋肉増加は約 25kcal の基礎代謝増大をもたらすとの試算もある

有酸素運動の目安が心拍数で 110以下に対して

無酸素運動は心拍数 150以上程度とされる

有酸素運動と無酸素運動を上手に組み合わせて

自分のライフスタイルに組み込めば、それは理想の運動形態といえるのではないだろうか

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