2012/03/26
しかし、一般内科では、次の 6疾患がその大半を占める
肺結核を除いて、胸部X線写真では、特段の異常所見がない
したがって、 「風邪が長引いているのでしょう」 などと誤診され、咳止め薬を長期間処方されている例もある
両者とも、症状は酷似していて、ステロイド吸入療法が著効するところまで同じである
ただ、アトピー咳は、やがてステロイド吸入を中止できるのに対して、咳喘息はステロイド吸入の中止をすると、再発することが多い
無治療で放置すれば、本物の喘息に移行する
しかし、あくまで 「前段階」 に過ぎないので、喘息特有の音 (喘鳴) は聞こえない
ステロイド吸入を続けてくれているので、一人として、気管支喘息に移行した人はいない
先行する気道感染症状があるが、これは 「風邪」 と全く区別がつかない
しかし、この病歴を聞けば、ある程度推測できる
また、血中の抗体価を測定することによっても推測可能である
かつて 「国民病」 と言われた時期よりは、その数は格段に減少した
しかし、今でも若者、高齢者問わず、一定の割合で発症している
芸能界では、ハリセンボンの箕輪はるかや、JOYが罹患したことは、記憶に新しい
そして、毎年 2千人余りが結核で死亡している
最も肺結核の多い国の一つであり、その意味では、日本は、まだ 「先進国」 とは言えない
感染から発病までの期間は異例に長く、感染をしていても、一生、発病しない場合も多い
そう、忘れた頃に発病することだってある
結核患者に濃厚に接していた人は 「接触者健診」 という、定期的な健診を義務付けられるが、この期間は 2年である
しかし、感染していれば、 2年を過ぎた後でも、肺結核が発病する場合も当然ありうる
高齢化によって免疫力が低下したり、何かの病気で、免疫抑制作用のある薬剤を使う時などは、結核の発症に気を配らなくてはならないということだ
なお、結核に感染しているか否かは、クオンティフェロンという血液検査でわかる
「若い先生は、肺結核を見慣れていないから、見逃す」
と、さも得意げに 「経験豊かな先生」 が述べている文章を見ることがある
彼らだって、肺結核の重要さを認識しているので、めったに見逃すことはない
彼らは、 「肺野の陰影を見たら、先ず、第一に結核を否定しろ」 と教えられている
「肺結核は、どんな画像をも取りうる」 ことだって知っている
むしろ、 「経験豊か」 な (医師経験年数の長い) 、呼吸器内科以外の先生の方が、大丈夫か?
と思うことが多い (そういう例を、いくつか見てきた)
CTは、心臓の裏側の、単純X線写真では見えない、ごく小さな病変も明瞭に写し出す
「連続して出る咳のため、息を吸う暇もない」
百日咳を発症する大人が多い
ワクチンで出来た抗体が、年月とともに減ってしまうからだろう
咳が長引くことなく治癒する
しかし、発症時には、例の特徴的な咳はなく、ごく普通の風邪症状しか呈さないため、いくら名医でも気づくことはない
だから、治療の好機を逃してしまうことが大部分だ
その時は既に抗生物質が効かない時期である
百日咳抗体を測定すれば、その咳が百日咳か否かはわかるけれど、もう、どうしようもない
百日我慢すれば咳は止まる
百日咳とわからずに 「ええい、抗生剤でも出しとくか」 と処方した抗生剤が、たまたま百日咳の特効薬であったような場合はラッキーである
普通、風邪に抗生剤は使わないが、 「怪我の功名」 とはこのことだ
慢性の咳が出るようになると、特殊な場合を除いて、まず進行癌である